昨日、理数系の話を記事にしましたが、今日も、数学ネタを。
≪過去記事≫ 「第一に数学、第二に数学、そして第三に数学」と叫ぶ経済産業省と文部科学省
近年、文系学部における入試科目として「数学」が課せられるニュースを目にするようになりました。
早稲田大学政治経済学部では、2021年度入試から数学IAを必須化。
「私大文系は数学なしでもOK!」というイメージが強いせいか、かなり話題になりました。
また、2023年度入試から、東京外国語大学が、大学入学共通テストでの数学2科目の受験を必須化。
こちらも、文系の人にとっては、早稲田以上にざわついたようです。
早稲田にしろ、東京外大にしろ、「大学としてほしい学生」を考えた時に「数学がある程度できること」が条件だということなんでしょうね。
ただ、このトレンド、この先10年くらいを見据えると、この2大学の話にとどまらないのではないかと思っています。(あくまで私個人の意見です。)
「数学」と一言で言っても、その中身は多様です。
ここで、中学・高校までの数学の各分野・単元のロードマップが分かりやすくまとめられていたので、引用させていただきます。
出典:中学・高校数学のロードマップ ~ 分野一覧と学ぶ順序 | 趣味の大学数学 (math-fun.net)
古くは、代数学・幾何学・解析学の3つが主流だったわけですが、近年、確率統計学がめきめきとその存在感を増しています。
2010年代以降、ビッグデータやAI技術の進展を背景に、とりわけ存在感を増しつつあるのが、統計学やデータサイエンスの分野というわけです。
そして、文系分野において「数学」が重要視されているのは、この「統計学」「データサイエンス」なんですよね。
私自身、大学院では「社会理工」系の専門分野に進んだので、よくわかるのですが、人文社会科学系の分野を「定量的に」研究しようとすると、現在では、どうしても「統計」が必要になってくるわけです。
良いか悪いかは別にして、アンケートを取ってその結果を集計しただけと、きちんとそのデータを統計処理したものでは、学術的に説得力が全然違うんですよね。
そして、ビジネスでも、経営戦略に「数字的」根拠が求められるのが現代。
昔は、ステークスホルダーがそこまで幅を利かせていなかったので、経営者の野生のカン、で通用した部分もあるんでしょうが、今は、それではなかな納得させられない時代になってきましたよね
あと、文系夫曰く「文系でも数学は大事。究極的に論理力を鍛えられるのが数学だからね」と。
文系でも、小論文とかで論理力が鍛えられるんじゃないの?と聞いたところ、たしかに論理的な展開を求められるけれど、数学ほど精緻じゃない。やっぱり、論理的思考力を鍛えられるのは数学だよ、と。
「文系でも数学はある程度できないと」という流れは、今後ますます強まるのではないかと思っ
ています。
みんな、数学、頑張ろう!