こんにちは!
渡邉ひとしです。
企業事例[第358話]のテーマは
『最後の「負の遺産」を消却しました』
(*写真はイメージ写真です)
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新たな商品を開発することで成長しました
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1912年に
創業者である早川徳次が
ベルトのバックルを発明して創業しました。
1915年に
金属製繰出鉛筆である
『早川式繰出鉛筆』を発明しました。
『エバー・レディ・シャープ・ペンシル』
という商品名に決めて
アメリカで爆発的にヒットしました。
1925年に
鉱石ラジオを『シャープ』の名前で発売し
主力商品になりました。
1962年に
日本の家電業界で初めて
電子レンジを発売しました。
1964年に
オールトランジスタダイオードによる
電子式卓上計算機を世界初で開発しました。
1970年1月に
社名を<シャープ>株式会社に変更しました。
1973年に
液晶を表示装置に使ったCMOS化電卓を
世界初で開発しました。
CMOS化とは
LSI(大規模集積回路)の構造の一種です。
2016年4月に
日本の大手電機メーカーとして初の外資
<鴻海精密工業>の傘下企業になりました。
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<シャープ>のビジネスモデル
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2018年3月に
除菌イオン『プラズマクラスター』技術で
カビの繁殖抑制効果の実証を発表しました。
広島大学の森永力特任教授監修のもと
一般家庭で繁殖するカビの約80%を占める
5種のカビを対象に実験を行いました。
3段階のカビの生育状況でそれぞれ
プラズマクラスターイオンを照射すると
カビの繁殖が抑制され
胞子の発芽や成長の段階においては
99.9%以上抑制することが分かりました。
カビの抑制効果を明確に示すことで
食品工場や病院など
企業向けの販売拡大を目指します。
2018年4月に
精密部品の微細な傷など欠陥を検知できる
カメラセンサー機器を発売しました。
カメラ画像の処理能力を
従来品の650万画素から
2500万画素まで大幅に高めたことで
目視では難しかった細かい部分まで
判定が可能になります。
人手不足が深刻な精密部品の生産工場など
ファクトリーオートメーションに組み込んで
活用するよう売り込みます。
同じく2018年4月に発表した
『2018年3月期』の連結業績は
最終損益が702億円の黒字になりました。
テレビなどの液晶ディスプレー事業がけん引し
4期ぶりに黒字転換したことで
6期ぶりの配当も実施します。
親会社である<鴻海精密工業>と取り組む
コスト削減や販路拡大が
復活の原動力になりました。
2018年5月に
スマートシティ(環境配慮型都市)の
実証実験で連携すると発表しました。
広島県福山市や<ソフトバンク>などと組み
7企業・団体で構成する協議会に参画します。
<シャープ>が持つ
人工知能や I oT の技術を使い
市街地の活性化を狙います。
I oT 機器の技術を
どう組み合わせれば役立つのか検証し
事業へフィードバックしていく」と
電子デバイス事業を統括する森谷和弘常務は
今回の連携の狙いを記者会見で述べました。
2018年6月に
<東芝>の『ダイナブック』ブランドである
パソコン事業を買収すると発表しました。
10月予定の買収後に
<東芝クライアントソリューション>は
<シャープ>の子会社になります。
『メビウス』ブランドで展開していた
パソコンから2010年に撤退しましたが
再びパソコン事業に参入します。
<鴻海精密工業>の圧倒的な
部品調達力と生産力で収益化する戦略です。
<シャープ>の戴正呉社長は
パソコン事業について
「1年か2年で黒字化を目指す」
と取材に応えています。
2018年7月に
インドネシアの企業と共同で
メガソーラーを建設したと発表しました。
二酸化炭素排出量の削減ニーズが拡大する
東南アジア地域を中心に展開を進めています。
インドネシアのほか東南アジアで
メガソーラーの建設を進めていて
建設・受注の実績は30件を超えます。
2018年8月に
白物家電の国内自社生産から撤退して
海外に移すと発表しました。
研究開発や企画を担う<シャープ>と
生産する<鴻海精密工業>の
役割分担を明確にし
収益体質に磨きをかけるため
<鴻海精密工業>は<シャープ>との
国際分業体制を強化する考えです。
2018年9月に
従来の4機種から新たに13機種を投入して
監視カメラ事業で攻勢に出ました。
倉庫内の管理や無人レジなど
幅広い用途を想定し
カメラの単品売りだけではなく
ラインアップを大幅に拡充して
問題解決型のソリューションでの
提案も進める考えです。
2018年12月に
デジタルサイネージ(電子看板)を使った
防災サービスを始めました。
<日立ケーイーシステムズ>が展開する
災害情報の配信サービスと連携して
日本国内で地震や豪雨などの
自然災害が相次ぐなか
商業施設やオフィスでの安全意識が高まり
適切な情報サービスを提供することで
受注獲得につなげる考えです。
2019年2月に
第2世代にあたる小型ロボット『ロボホン』の
新モデル3機種を発売しました。
<シャープ>の150機種以上ある I oT家電を
ロボホンを通じて声で
エアコンを起動させるなどの操作ができます。
2019年5月に
つながる家電を一括してコントロールできる
新たなアプリを発表しました。
従来はエアコンやテレビなど
製品ごとに別々でしたが
スマートフォンアプリ『ココロホーム』は
オン・オフなど家電の使用状況が
タイムラインで一括して表示されます。
合わせて機器やサービスで
他社との連携を強化していく方針です。
機器とサービスの相乗効果で
つながる家電の付加価値を高め
市場を拡大させる狙いです。
2019年6月に
最後の『負の遺産』である優先株を
すべて買い戻し消却しました。
<みずほ銀行>と<三菱UFJ銀行>から
2行が保有する970億円分の優先株を
自己資金で買い戻し消却しました。
経営危機に陥った2015年に主力2行が
債務と振り替えるかたちで発行した優先株で
残っている約970億円分を消却しました。
2019年6月に
<シャープ>の親会社である
<鴻海精密工業>の創業者・郭台銘氏が
経営トップを退く人事を決めました。
郭氏は来年1月の台湾の次期総統選に向け
最大野党・国民党からの出馬を目指します。
2019年8月に発表した
『2019年4~6月期』の連結決算は
純利益が前期比35%減でした。
新たに3つに分類した
事業グループのうち
○ スマートライフ・グループ
○ 8Kエコシステム・グループ
○ I C T ・グループ
テレビやディスプレーを含む
8Kエコシステム・グループの不振が
利益を押し下げました。
スマートライフ事業は
白物家電の販売が伸びたほか
コスト削減で採算が改善しました。
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株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役
未来志向型経営コンサルタント
愛知産業大学 非常勤講師
中部大学 非常勤講師
渡邉ひとし
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