こんにちは。
渡邉ひとしです。
企業事例:[第344話]のテーマは
『自動車関連以外の事業の柱』です。
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日本最大手の非鉄金属メーカーに成長
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1897年4月に
<住友本店>の一事業として
『住友伸銅場』が開設され
銅板・銅棒・銅線の製造を開始しました。
1908年に
電力用ケーブルを製造開始しました。
1911年に
『住友伸銅場』の電線製造部門が独立して
<住友電線製造所>が発足しました。
1920年に
<住友電線製造所>を
株式会社に改組しました。
1939年11月に
<住友電線製造所>を
<住友電気工業>に商号を変更しました。
1974年に
光ファイバーを製造開始しました。
2004年に
世界で初めて「高温超電導ケーブル」の
商業契約を締結しました。
2007年に
<日新電機>を連結子会社とし
<住友電装>を完全子会社化しました。
2008年に
『テクニカル・トレーニング・センター』
を開設しました。
2014年に
<ジェイ・パワーシステムズ>を
完全子会社化しました。
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<住友電気工業>のビジネスモデル
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2018年1月に
<住友電気工業>は
<日産自動車><関西電力>と3社で
電気自動車への充電を遠隔制御する
実証実験を始めたと発表しました。
<住友電気工業>と<関西電力>が
開発したEVスイッチと呼ぶ機器を
充電器に取り付け電力網側から
充電量などの指令を出します。
夜間の余剰電力を
電気自動車にためられるようにして
エネルギーの効率的利用に
繋げる狙いです。
2018年2月に発表した
「2017年4~12月期」の連結決算は
純利益が前期比微減の730億円でした。
エレクトロニクス関連事業は
携帯機器用フレキシブルプリント回路や
電子ワイヤーが好調で増収でした。
ワイヤハーネスなどの自動車関連事業は
増収でしたが研究開発費がかさみ
減益になりました。
同じく2018年2月に
<NEC>とコネクテッドカー分野での
提携を表明しました。
<住友電気工業>はワイヤハーネスを
軸にした車内通信に加え
警察向けの交通管制システムに強いため
<NEC>が強みを持つ
セキュリティー技術を活用して
車とやり取りする通信データを保護する
車載機器やソフトウエアを共同開発します。
コネクテッドカー市場は2022年に
現在の約3倍の17兆円程度に
拡大すると予測されていることもあり
コネクテッドカーの普及で
車両情報をハッキングされたりする
危険性が高まっていることに対応します。
2018年5月に発表した
「2018年3月期」の連結決算は
純利益が前期比12%増と過去最高でした。
製造業の設備投資意欲が強く
切削工具の販売が好調でした。
不良品が多く製造コストが膨らんでいた
スマートフォン向け電子部品の採算も
生産現場を改革して改善しました。
同じく2018年5月に
2013年3月期までの
「5カ年中期経営計画」を発表しました。
送電ケーブルなど他事業を伸ばして
自動車事業が占める割合を
56%から45%まで引き下げます。
自動車の配線に使われる電線
「ワイヤハーネス」頼みからの
脱却を進める考えです。
井上治社長は……
「長期でみるとカーシェアなどの普及で
自動車生産台数は減る可能性もある」
「収益の多様化を図りたい」
と話しています。
国家間をつなぐ長距離の送電に使う
「電力ケーブル」を核とする
環境エネルギー事業に期待をかけています。
2018年6月に
<住友電気工業>などが参加する
「新構造材料技術研究組合」は
軽量のマグネシウムを使った新たな合金で
新幹線の車両部品を
試作したと発表しました。
既存の部品と比べると
30%程度軽くなるため
消費電力の削減や高速化につながります。
2018年8月に発表した
「2018年4~6月期」の連結決算は
営業利益が前期比13%増でした。
「4~6月期」としては過去最高で
英国とベルギー間を結ぶ
長距離海底送電線などの
大型案件の工事が進むなど
国内外で電力ケーブルが伸びたほか
超硬工具も好調でした。
2018年10月に
サイバーセキュリティー事業などを展開する
<ココン>に投資したことを表明しました。
<住友電気工業>は自動車の配線に使われる
電線「ワイヤハーネス」を手がけており
自動車業界向けの事業で協業を図ります。
2018年11月に発表した
「2018年4~9月期」の連結決算は
純利益が前期比13%増でした。
主力の自動車用ワイヤハーネスや
電力用ケーブル・超硬工具の販売は
好調に推移したものの
自動運転車や電気自動車向け技術の
開発費用が増えたことが響き
営業利益は2%減でしたが
米国の法人減税に伴い
税負担が減少したため
純利益が前期比増益となりました。
2019年1月に
住友グループ19社のトップでつくる
親睦団体「白水会」の会合がありました。
議題の一つは2025年に大阪で開催する
国際博覧会(大阪・関西万博)への対応で
<住友電気工業>会長で
<関西経済連合会>の会長も務める
松本正義氏の持論は……
「グループ400年の歴史で
『なにわ』の地が住友を育ててくれた」
『結束の住友』といわれる住友グループには
「住友としての力を見せないと」
という意気込みを語る企業トップもいます。
2019年5月に発表した
「2019年3月期」の連結決算は
純利益が前期比2%減でした。
自動車用ワイヤハーネスなどの
販売価格が下落したほか
研究開発費の増加も響き
貿易摩擦の影響で中国などから
米国に出荷する製品について
関税負担も30億円増えました。
同じく2019年5月に
<関西経済連合会>は松本正義会長の
続投を定時総会と理事会で決めました。
2期目となる松本正義会長は
「国際博覧会(大阪・関西万博)」の
成功に貢献する決意を述べています。
同じく2019年5月に
自動車部品などを生産する欧州2社を
買収したと発表しました。
ドイツの<ジンターベルケ・ヘルネ>と
スイスの<ジンターベルケ・グレンヘン>を
買収しましたが
<住友電気工業>は
欧州の自動車・部品メーカーへの
販路拡大を狙う考えです。
<住友電気工業>にとって
自動車関連以外の「事業の柱」を
早急に育成するすることが課題になります。
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株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役
未来志向型経営コンサルタント
愛知産業大学 非常勤講師
中部大学 非常勤講師
渡邉ひとし
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〔投稿内容〕
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