こんにちは、あすなろまどかです。
さて、前回の続きです。
前回は、『映画 クレヨンしんちゃん ガチンコ! 逆襲のロボとーちゃん』のあらすじを書きました。
今回は、いよいよ感動のラスト・シーンについて書いていきます。
※この記事ではガンガン ネタバレしていくので、未視聴の方はお気を付けください。
また、セリフがうろ覚えなので、細かいところは間違っているかもしれませんが、ご了承ください。
これまで悪い組織と戦ってきて、ついに壊れてしまったロボとーちゃんは、ボロボロの状態で、ひろし、みさえ、しんのすけ、ひまわりと向き合います。それは愛する家族のはずですが、ロボとーちゃんの家族ではありません。ロボとーちゃんは、所詮ひろしのコピーに過ぎないのだから。
しんのすけ「…治る…?」
ロボとーちゃん、ゆっくりと首を振る
しんのすけ「え…」
そしてロボとーちゃんは、近くに転がっていたドラム缶を引っ張り出してきて、ひろしに無言で腕相撲を求めます。
ひろしは服を脱ぎ、一言。
ひろし「…分かったよ。」
ひろしとロボとーちゃん、互いの手を握り合う
ひろし「ケリをつけよう。」
そして、ひろしとロボとーちゃんは、本気の腕相撲をするのでした…タイトル(『ガチンコ! 逆襲のロボとーちゃん』)の回収ですね。
「とーちゃん負けるなー!!」
「ロボとーちゃん負けるなー!!」
「どっちも頑張れー!!」
これが、しんのすけの応援です。
対して、みさえからの激励は…。
「あなた、勝って!!」
この一言に、ロボとーちゃんが何かにハッと気が付き、その隙を狙って、ひろしがロボとーちゃんの腕を倒します。
ロボとーちゃんは、気付いてしまったのです。みさえの言う「あなた」とは、自分のことではないと。
いえ、ロボとーちゃんは、ずっとそれに気付いていました。ただ、それを認められなかった。そして今、愛する妻みさえの一言で、それを認めてしまった。
こうして、本物のひろしが、勝利と家族を得たのでした。
故障しているロボとーちゃんは、もう限界でした。その場に座り込んでしまいます。
そして、ロボとーちゃんは、しんのすけを見ます。
ロボとーちゃん「どうだ…しんのすけ…強いだろ…お前のとーちゃんは…」
しんのすけ「うん…ロボとーちゃんも、強いよ?」
ロボとーちゃん「…しんのすけ…俺は…お前のとーちゃんじゃ、なかったみたいだ…」
しんのすけ「…」
ロボとーちゃん「俺のぶんまで、しっかり頼むぞ…俺。」
ひろし「ああ、任せろ。俺。」
みさえ、泣き崩れる
ロボとーちゃん「ありがとよ、みさえ、ひまわり。」
みさえ、泣きながらも笑顔を見せる
しんのすけ「(ロボとーちゃんに向かって)とーちゃん。」
ロボとーちゃん「俺は違う…」
しんのすけ「ううん。とーちゃんもロボとーちゃんも、どっちもオラの大好きなとーちゃんだ!!」
ロボとーちゃん「…お前はいい子だ…」
ロボとーちゃん、しんのすけの頭をなでる
しんのすけ、涙ぐむ
ロボとーちゃん「でっかくなれよ…」
ロボとーちゃん、微笑む
こうして、とうとうロボとーちゃんは動かなくなったのでした。
だめだ、泣けてきた。ラストが悲しすぎます…。しかし、悲しくも美しい。
腕相撲のとき、しんのすけは「どっちも頑張れー!!」と言いました。それに対して、「あなた、勝って!!」という、みさえの一言。
このふたつの応援が、しんのすけとロボとーちゃんの関係、そして、みさえとロボとーちゃんの関係を、はっきりと表しています。
ロボとーちゃんは、ずっと『しんのすけのとーちゃん』でしたが、どう頑張っても、どれだけ努力しても、最期まで『みさえの夫』にはなれなかったのです。みさえは、ひろしだけを愛しているから。本物のひろしだけが、みさえにとっての夫、みさえにとってのひろしだから…。
切ないですね…。
今さらですが…クレヨンしんちゃん、子供向けだと侮れません。とにかく名作が多すぎます。
特にこの『ロボとーちゃん』は、しんのすけとロボとーちゃんの切なくも美しい絆に感動するだけでなく、「自分とは何か?」というアイデンティティにも触れている、非常に深いメッセージ性が込められた、永遠の名作です。
『逆襲のロボとーちゃん』、本当にオススメの映画です。
以前書いた『映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国』の感想はコチラ↓