こんにちは、あすなろまどかです。



 以前、妹が『映画 クレヨンしんちゃん ガチンコ! 逆襲のロボとーちゃん』を観ていたので、一緒に観たのですが…
 本気で泣いてしまいました。3日ぐらい引きずりました。





 あらすじを簡単に説明します。



ここからはガンガン ネタバレしていくので、未視聴の方はお気を付けください。






 ある日のこと、ギックリ腰になってしまったひろしは、セクシーなお姉さんに誘われて、怪しげな接骨院のような建物に入ります。

 そこで、なんとひろしはロボットにされてしまいました!




 しんのすけは、そんなひろしを『ロボとーちゃん』と呼んで慕いますが、みさえはロボットの姿になってしまった夫を受け入れることができません。



 ある日、しんのすけの幼稚園は、ロボット工場に見学に行きます。そこで、色々あって高い所から落ちそうになってしまうしんのすけたちでしたが、突然現れたロボとーちゃんによって助けられます。


 ロボとーちゃんは、みさえに姿を見せることなくその場から立ち去りますが、みさえには、ロボとーちゃんがしんのすけたちを助けてくれたのだと分かりました。


 しんのすけとともに家に帰ったみさえは、ひろしにお礼を言います。このシーンから、みさえはロボットの姿の夫を認め始めたようで、家族の絆や関係も戻っていきました。





 しかし、その後、衝撃的かつショッキングな事実が明かされます。なんと、ロボとーちゃんはひろしではなかったのです。




 どういうことかというと、ロボとーちゃんは、ひろしのクローンのような存在だったのです。あの怪しげな接骨院のような建物で、ひろしの記憶を完全コピーして、ロボットにそれを覚えさせた組織がいたのです(ひろしを誘ったセクシーなお姉さんも、その組織の一員でした)。そのロボットが、今まで私たち視聴者やしんのすけやロボとーちゃん本体が、ひろしだと思い込んでいた人物だったのです。ひろしの姿がロボットに変えられたわけではなかったのです。




 さあ、だんだんホラーチックになってきました。この展開は、下手なホラー映画よりも100倍残酷だと思います。



 だって、ロボとーちゃんは、ひろしの記憶を完全コピーされているわけだから、自分こそがひろしだと思い込んでいるんですよ。それに、しんのすけはそのロボットをずっと『ロボとーちゃん』と呼ぶ。しんのすけは、ロボットのひろしも、本物のひろしも、愛する父だと信じて疑わないんです。


 一方、みさえの方は、本物のひろしが登場してから、ずっと本物のひろしのそばにいます(まあ、そりゃそうですよね)。それで、だんだん、ロボとーちゃんも、自分がひろしでないことを認めざるを得なくなってくるんです。それでも、最後の最後まで、彼は自分が自分(=ひろし)だと信じて疑わない。どんなに頑張ったって、最後に愛するみさえが選ぶのは、本物のひろしだと分かっているのに。



 ああ、書いてたらつらくなってきた…絶対、子供向け映画じゃないですよ、これ。





 この映画のテーマは、『ルパン三世 ルパンvs複製人間』に通ずるものがあると思います。



 物語中盤、さまざまな歴史人物や自分自身のクローンを造って、1万年もの長い年月を生きてきたマモーが、ルパンにこう告げます。

 


処刑されたのは、あるいはオリジナルの方だったのかもしれないぞ



 物語序盤に殺されていたルパンのクローンでしたが、そのクローンこそがオリジナルだった可能性があると、恐ろしいことをマモーは言い出すのです。




 ルパンは、


バッキャロ〜! 俺は俺だ、このルパン三世だぞ!!


 と返しますが、自分が「ルパン三世」であるというアイデンティティを守るために、だいぶ強気になっている気がします。




 ロボとーちゃんは、まさにこのルパンと同じ恐怖を味わったというわけですよね。自分が自分でないかもしれない。自分はコピー(クローン)で、オリジナルは別にあるのかもしれない…。


 『ルパンvs複製人間』では、結局、処刑されたのはコピーのルパンだったと判明しますが、『ロボとーちゃん』では、今までずっとオリジナル(ひろし)だと思われていたロボとーちゃんが、実はひろしのコピーだったと判明するわけです。


 というわけで、少しルパンを持ち出してみました。





 …まあ、それから、なんやかんやあります。大事なとこ全部すっ飛ばして、一気に『ロボとーちゃん』のラスト・シーンを話します。

 


 …と、ここから長くなりそうなので、次回の記事に続きます…。