唸らされた仕事 | 働く母の戯言日記

働く母の戯言日記

働く母が綴る日々の記録。



先日この記事で紹介した尊敬する🅱️さん(パートナー企業の方)の話です。


ある日、私にお客さんから問い合わせが。

「頼みたい仕事がある」とのこと。


私は営業ではなくなったので、引き継ぎした若手の営業(2年目)と、信頼できるパートナー企業の🅱️さんに相談。

早々にお客さんとミーティングすることになりました。


私は、これまで営業時代は、ほとんどなんでも断ることなく仕事を請けていました泣き笑い

どんな安価な仕事でも、ご縁はどこに繋がるかわからないので…非効率かもしれないけど、請けられるものは全部請けていました。


それがよかったかどうかはわからないけど…。





一回目のミーティングで仕事の概要をお伺いして、検討することになりました。


その時、お客さまからは「難易度は高くない」と説明を受けました。



二回目のミーティング。

私がずっと出ていては後任が育たないので、若手営業にお任せすることにしました。

議事録回してね、とだけお願いしました。


二回目ミーティングから週があけて…

🅱️さんから、電話が…


「Yukiさん、申し訳ないけど、もう一回だけミーティングのフォローをお願いできない?」


あらやだ。

もう私が恋しくなっちゃったのかしらひらめき


と思ったけど、そうではなく(当たり前)。


🅱️さん曰く「若手営業さんのスキルだと、今回の案件はまずいと思う。議事録も出てこないし、わたしのほうから内容説明はしたものの、おそらくなにも理解できていない。なによりお客さんのことを全くわかっていないし、信頼関係がない。


通常の案件であれば、若手営業さんのスキルアップを考えて、こんなお願いはしないが、Yukiさんに入ってほしい」


確かに議事録出てきてない!!

ごめんなさい。でも、若手営業くん、そんなにスキルない?


「そうではない。今回の案件は複雑。お客様との信頼関係がないと、すぐに拗れる。Yukiさんが入ったほうがよいと思う」


🅱️さんがここまで言うのは、ただ事ではないと感じ、3回目のミーティングは私も参加することにしました。



初回のミーティングから、全員別人?っていうぐらいピリピリ感ガーン

え、、なにがあったの?



詳細は書けませんが、難易度は高くないから期間、成果物内容、金額を決めて契約したいお客様と、


要求が整理されていないため、まずは期間と金額だけで合意したい🅱️さんの意向が平行線でした。



確かに、これは会社間の信頼関係に関わる状況で、私を巻き込んだ🅱️さんのご判断は正しいと感じました。

若手営業くんには捌けないわー魂が抜ける


結局、そのミーティングの結論は、お客様が主張する形での見積回答をするために、🅱️さんの部下複数人を交えて再度、依頼内容を確認するためのミーティングをすることに…。



——


翌日お客様から電話がありました。

「Yukiさんから見て、今の状況はどう思う?」

と聞かれました。


私は、


・率直に言えば、🅱️さんはその道のプロなので、依頼主であるお客様側とのレベルが合っていないことが、コミュニケーションの問題と思う。


・🅱️さんは、トラブルになるポイントを予見していて、その懸念を払拭するための質問をしているが、お客様側は情報が整理されていないため、なにを指摘されているか理解できていない。


・このプロジェクトを成功させるためには🅱️さんと組むのはベストと思う。しかしながら、お客様側にレベル感の違いを認める度量が必要。


・お客様側にスキルが不足していることを認め、補完するための工数が🅱️さんたちにかかることを自覚しなくてはコミュニケーションが成立しないはず。(もちろんそのための費用もかかる)


・私個人としては、このままではこのプロジェクトは🅱️さんは辞退するのではないかと感じた。なぜならば、スタート前なのに、すでにお客様側の問題を受注者が押し付けられる構図になっている。


「ちょっと言い過ぎたかな?不安」と思ったけど、たぶん本当のことを言わないと🅱️さんに迷惑をかけるだろうと感じたので、思っていることを率直に伝えました。



お客さまは「なるほど…そうか。。今回は確かにうちのエンジニアのスキルが低く、トラブルが起こった際の体制もない。しかし予算は限られていて、Yukiさんたちには、良いことはひとつもないよね…」と素直に受け取ってくれました。


その後、すぐに🅱️さんと再度話したいと、🅱️さん、お客さま、私の3人で一度webミーティングを実施しました。

(この時点で若手営業の存在をみんな忘れている…)


お客さまは、「我々の力量不足で申し訳ない。今回のプロジェクトは確かに筋が悪いと思う。でも将来的な拡大の可能性あるビジネスだと感じてくれるのであれば、ぜひ協力いただきたい。プロである🅱️さんの力を貸してほしい」と懇願していました。


あまりの態度の変化に私はびっくりあんぐり


——


ミーティング後、🅱️さんと話した際に、

「やっぱり、3回目のミーティングでYukiさんを呼び戻して正解だった。思った通りだった」と。


どういうこと??


「お客さんは、Yukiさんと信頼関係がある。Yukiさんは今までなんでもお願いは聞いてきたはず。でも初めて断りそうな雰囲気を出した。そのことで相当自分たちはやばいと気付けた。


その信頼関係と長年の対応パターンがなければ、お客さんが現実を受け入れ、ここまで態度を変容させるまでには相当時間がかかっただろうし、真実に辿りつかないままお互い無駄な時間を過ごしたと思う。」



すべては🅱️さんのシナリオ通りだったってこと。



私とお客さまの関係性まで理解し、どうすれば最短で最善の仕事ができるかを見抜く力…


🅱️さん…あんたすげぇよ不安



こんな仕事ができる人間になりたいが、無理だな泣き笑い


🅱️さんは「やっぱりお客さんと信頼関係のある営業さんじゃないと難しいんだよな…若手営業くんはこれからたくさん苦労してもらわないといけませんね。」とうちの若手営業の成長までいちいち気配りしてました。


あーーーほんとに頭が下がります笑い泣き

久しぶりに唸らされた仕事でした。

(まだなにもやってないけどね!!)



仕事してると、たまにこういう良い仕事を見せつけられることがあって、ほんとに楽しい。

こういう素晴らしい職人技をこれからもいろいろ観察していきたい(仕事しろー)。