ヒロとのやり取りが始まっても、特別な変化はなかった。
ただ、配信の外で言葉を交わすようになっただけだ。
それだけのことなのに、関係の温度が少し変わった。

その温度は、私にとって壊したくないものだった。
仲間とも友達とも言い切れない、名前のつかない距離。
その曖昧さは、配信では珍しいことではなかったし、
むしろ曖昧なままの方が続く気がした。

問題は、現実の私はその曖昧さに馴染まないということだった。
本当の年齢も、生活も、家族も、仕事も、
何か一つを見せただけで空気が変わる予感があった。

ヒロがどう思うかよりも、
関係そのものが別の形に変わるのが嫌だった。
壊れるとか嫌われるとか、そういう恐れではなく、
ただ、現実を混ぜた瞬間に
曖昧さが失われる気がした。

だから私は、本当の自分を出さなかった。
良く見せたいからでも、突き放したいからでもない。
続けたいから、壊したくなかったからだ。

それが私の最初の嘘だった。