埼玉県も岩手県のがれきを受け入れ、2年間で5万トンをセメント工場などで処理することが決まったようです。
被災地には今もなお、処理できない手付かずのがれきが大量にあります。
埼玉県の処理計画ではがれきを鉄道で運搬するようですが、ネックとなるのが、放射性濃度のようです。
1キロあたり100ベクレル以下が受け入れ基準となり、被災地と埼玉県内の2箇所で測定することにより安全性を担保するとのことです。
このがれきですが、家庭から出るゴミなどと同様に 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」 (廃掃法)によってその処理基準が決められています。
一般に事業活動から出る廃棄物(不要物=非有価物)が産業廃棄物、それ以外の家庭などから出る廃棄物が一般廃棄物に区分されます。(事業系一般廃棄物なんていうものもありますが)
それぞれの処理責任は、産業廃棄物が排出事業者、一般廃棄物が市町村です。
処理に携わるには廃棄物を処理施設に運ぶ収集運搬業の許可と、処理区分によって中間と最終の処分業の許可がそれぞれ必要となります。
そして許可の特徴として、産業廃棄物は各都道府県ごと、一般廃棄物は各市町村ごとに許可を取得する必要があるというところです。
ようするに宮城県と福島県の県境で発生した産廃を運ぶには、それぞれの県の許可を受けていなければ運べないのです。
また、かつて大きく取り上げられた不法投棄の頻発により、法改正の度に罰則も重くなり、現状では不法投機や無許可営業で摘発された場合、最も重い罰則である、5年以下の懲役または1000万円以下の罰金が科せられます。
しかも、個人が違法行為を行い上記の罰則を受けるだけではなく、その勤務先会社も最高3億円の罰金が併せて科せられることになってしまいます。
これは他の建設業や運送業などの許認可に比べてもかなり厳しい罰則でしょう。
そんなしくみが廃棄物の処理にはあるため、誰でも簡単に運んだり処理(燃やす、砕く、つぶす、溶かす、埋める等)したりできないのです。
実際、宮城県などの処理関係の許可申請も大幅に増加しており、許可通知が発行されるまで通常よりかなり時間がかかっているのが現状です。(県庁の職員の方も 「通常ではありません。」 とのことでした)
先日、復興庁なるものが発足したようですが、くれぐれも現地での活動を主体にしてもらいたいと思います。
現地のがれき撤去等の復興支援に関係する廃棄物行政は、除線作業と併せ、各自治体の従来の許可制度のみではなく、時限的で構わないと思いますので、復興庁の一元管理で迅速に行っていただければと考えます。
復興庁に求められているのは、新たな発想とスピードであることは間違いありません。