誰にも悩みを打ち明けられないまま、わたしは退職した。
でも、これからの人生に対する絶望感とか、空虚感はなく、そこにあったのは純粋に解放感だった。
その日の夜は不思議なくらい良く眠れたのを今でも覚えている。
本当に、今までこんなに眠ることが辛かったのに・・・
次の日は、誰にも見せられないような顔がそこにあったけれど・・・
明くる日、真っ先に両親に電話をした。
わたし 「退職届、受け取ってもらえたよ。」
母 「そう。お疲れ様。今日まで頑張ったからいいじゃない。」
父 「バカだな、お前は。」
父親の言葉は予想通りだった。
早く帰ってきなさい、と言ってくれて電話をきった。
しばらくは何もしたくなかった。
と、いうよりも何もする気がおきなかった。
通院以外は何もしないで過ごす日が何日続いただろうか。
いい加減、荷造りしないと・・・
そう思い立って、部屋の荷物を片付け始めた。
教本も返さなきゃ。
制服、クリーニング出さなきゃな・・・
会社に行くの、嫌だな・・・
本棚にたまった書類を片付けていると、採用通知書が出てきた。
受け取ったときは、どんな気持ちだったのか。
その気持ちすら忘れてしまった。
もうひとつ、手紙が出てきた。
母親からの手紙だった。