本と映画と歌と~昴~ | 野に咲くすみれ(r-m-m-mama-2)のブログ

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 ブロ友さんが、心に浮かんだ歌をブログにアップしてくださっています。私はできないので、アップしてもらうとすぐに聞けるのでうれしいです。

 

 もう40年くらい前でしょうか、初めて中国に行きました。といっても海外にはこの1回しか言ったことがありませんが。上海や南京や蘇州。人民服を皆さん着られていて社会主義の全盛期だったでしょうか。ホテルの部屋の鍵が壊れていて添乗員さんと一緒に困っていると伝えに行くと「盗まれないから問題はない」という答えでした。着替えとかに困るので何とか修理してもらいましたが、安全な国なんだなあと思いました。いわゆる古き良き時代の中国だったのかもしれませんね。

 

 ツアーのルートの中に鑑真和上ゆかりの地が入っていました。この時の私は、そこに立っただけで涙が止まらなくなりました。というのも、ちょうど「天平の甍」が映画化され、たまたまですがそのゆかりの地に行くということで、久しぶりにもう1度本を読み、映画も見ていたからでした。

 仏教を伝えるために、ただその思いだけで一途に生きた留学僧や鑑真和上の生き方に深く感銘を受けた後だったので、今同じ大地を踏んでいると思うと、時の流れを超えたような気持ちになりました。ただそれだけで胸がいっぱいになりました。

 信じるもののためになぜ命を懸けられるのか、地位も名誉も捨てられるのか、そんな生き方が自分にできるのか。まだ20代でしたのでよけいに感動したのかもしれません。

 

 そしてこの時からある歌が大好きになりました。谷村新司さんの「昴」です。映画のために作られた歌です。本を読んで感動して作られたと聞きました。鑑真和上を日本に連れて行くために、厳しい道を進んだ、留学僧。その志に応えた鑑真和上。その生きざまを歌にした谷村新司さん。

 

 でも、今聞く「昴」は、本を読み映画を見た頃の気持ち、留学僧や鑑真和上の生き方に思いをはせた頃の気持ちとは違います。自分の人生を生き抜いた夫や、必死に毎日を生きている名もなき英雄たちや自分の歌として聞いてしまいます。残念ながら谷村新司さんは最近亡くなられましたが、作った後は同じような気持ちで歌われていたのかもしれません。