正直、各講師に無茶苦茶な指示を出している自覚はある。
それ以外選択肢が無い以上、どんなに無茶苦茶な命令でも出さざるを得ない。
しかもそこへ終わったはずの案件が終わってないというとんでもない話が来て、それは別の方に頭を下げて何とかしてもらうように手を打った。
「自業自得だ、死ね」と言うのは簡単だが、それでは私たちは何のために今日までリベンジのために無理に無理を重ねてきたのかわからなくなる。
二年前、奇跡とも言うべき離れ業をやってのけ、あと一歩というところまで昇り詰めた悔しさを、今度こそはらすはずだった。
緻密に組み上げていたはずの戦略が、そもそもの前提条件が違うということを手遅れになってから知らされて、音を立てて崩壊したことを知った衝撃。
正直、泣くに泣けない。いや、講師一同、茫然自失。
それでもやるからには何とかしなければならず、そのためにはどんな無茶な命令でも出さなくてはならない。
無理難題を言っているのはわかっているが、座して死を待つわけにはいかない。