父は、一人っ子だったのと、
仕事柄家を空けることが多いせいか、
在宅での家族との時間を大切にしていた。

ある時、仕事先で、卓球台を買い
家に送ってもらうことにして、
帰宅の際は、家族で卓球をするのを楽しみにしていた。
その話をきいた家族みんなもいつ来るのかと
届くのを楽しみにしていた。
しかし、いつになっても卓球台は届かなかった。
そして、父が帰宅した。
その時、母から「卓球台のことは、絶対に父さんに口にしないで」と釘をおされた。
どうも、父は業者を装う詐欺師に騙されたらしい。
父は、しょんぼりしていた。
卓球ができなかったことより、
父を騙した詐欺師が許せなかった。

この時ほど、父が愛しいと思ったことはなかった。

私たちは、イケメン?兄さんの車に乗り込んだ。
彼は鼻歌を歌いながら、とても機嫌がいい。
宿舎に着く前に、本州の最南端である潮岬に立ち寄ることにした。
潮岬に着いた。青黒い冬の日本海と違い
太平洋の海は緑色だった。
私たちは、大声で「バカヤロー」と叫んだ。
ついでに唾も吐き出した。
(女子とは思えない下品さ)

宿舎に着いた。
ここもペンションタイプではなかった。
民宿のような感じだった。
お兄さんが「風呂が沸いたよ」と報告したので、
J子が最初に入ることになった。
すると、すぐにJ子が「キァ❗」と叫んで戻ってきた。
何事だと思って聞くと、風呂は水だった言う。
お兄さんのミステイクだった。
やれやれ。
このお兄さんのことだから、何かやらかすだろうとは思ったけどね。
でも、大体的には気のいい優しいお兄さんだった。
私たちは、串本を後に、伊勢志摩に向かった。

次回につづく。



部位の実技と講義の講座が5日間続き
今回の講座が終わった。
次のステップに進むには
延べ30人をモデルに、実技レッスンを行い
そのレポートの宿題をこなし
そのレポートを持参し、
モデルを伴い、実技の審査を受け
それに合格しないと上の段階レベル2へ
進むことができない。
段階はレベル3まであり
プロになるには、レベル3をクリアした上
さらにプロテクショナリー(対価を得るプロ)の
試験に合格しないといけない。
講習を受ければライセンスが
与えられるのと違い、
トレガーアプローチの
プロテクショナリーへの道はかなり険しい。

講座中、私は手技の何ひとつ、
覚えることができなかった。
失意と絶望感で、帰路についた。
家に着き、夫をモデルにやってみたが
やはり頭は真っ白で、
手をどうやって動かしていいのかわからなかった。
これじゃダメだ❗と思い、
つだっちに復習をお願いした。
つだっちは、受講中の私の様子を知っており
私の懇願する姿勢に同情。
つだっち宅で、復習することを承諾してくれた。
私は、再び、白山を望むつだっち宅を訪れた。
つだっちは、私の手技を指導するために
奥さんのうさっとをモデルにしてくれた。
物覚えの悪い私は、つだっちに言われたことを
ひとつひとつメモに取った。
つだっちの親切で丁寧な指導を受け
家路に急いだ。

さっそく夫をモデルに手技を試みた。
夫曰く「なんか、ぎこちなく気持ちよくない❗」
と言われてしまった。
それでも、30人のレポートを提出しなくてはならない。
私は、知人のあちこちに連絡して
モデルになってもらった。
延べ30人なので、同じ人に2回お願いもした。

30枚のレポートを持参し
関西在住の同期生にモデルをお願いし
審査員の関西事務所がある大阪に向かった。

次回につづく。