札幌満喫の旅 38 (石山緑地②) | Qの乗りつぶしニッポン

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日本国内のJR、私鉄の乗りつぶしを中心にぷらっと旅に出かけています。ここ数年は鉄路のない自治体へ路線バス等を利用して市区町村の塗りつぶしする機会が増えてきております。

石山緑地を散策。

 

そもそも『札幌軟石』とは何なのかとなるのだが、これは札幌の南側にある支笏湖(千歳市)の成因に関連する。支笏湖は面積約78.5㎢、国内8番目の広さで6番目の屈斜路湖や7番目の宍道湖とほぼ同じ程度の大きさである。約4万年前に支笏火山の大噴火の際に流れ出た火砕流は札幌側の石狩平野や苫小牧側の勇払平野へと流れ込み、その火砕流の冷え固まったものが溶結凝灰岩となり、これが札幌軟石として使用されている。その後、支笏火山の火口の陥没(カルデラ)によって出来たのが支笏湖(の原型)で、現在の支笏湖の北側の恵庭岳や南側の風不死岳(ふっぷしだけ)や樽前山はその後の火山活動で出来た山であるため、円形だった支笏湖はややくびれを持った湖となっている。上記より、支笏湖の原型は大きなカルデラ湖であったため、現在でも水深は深く(最大360m)、貯水量は琵琶湖に次いで国内2番目であり、水深が深いことから日本最北の不凍湖でもある。

余談だが、支笏湖のある千歳市は石狩川支流の千歳川が流れており、この千歳川の元の名前が支笏川(アイヌ語でシコッペッ、大きい窪みの川の意)であった。しかし、シコツが「死骨」に通じ縁起が悪いため、川の流域に生息していたタンチョウと「鶴は千年」の故事成語より“千歳”と改名され、その後町の名前となった。

尚、前日の『札幌硬石』は200万年以前の火山活動により誕生した藻岩山や硬石山のマグマが地表付近で冷え固まったもので、石英安山岩である。

 

『石の広場」より先に進むと、『彫刻広場』にある『午後の丘』が見えてくる。エントランス部分の『呼吸する門』。“門”らしくはないのだが、入口もしっかりと作品となっている。

 

ここもまるでTVゲームのような見た目で、立方体の石がゴロゴロと転がっている。

 

壁から切り出した石が手前に落ちているような造りはなかなか面白い。

 

背後の崖の下部が札幌軟石。都市部の近くで建材となる石材が採れるのは都市計画上非常に有効だったのだろう。

 

採石場跡は開発するのが難しい場所でもあると思うが、日本では他所でも公園などに観光に利用している。関東では大谷石の採石場跡が地下にある古代神殿のようだし、鋸山も観光地化している。中国・上海には採石場跡地に巨大なホテル(確か、“インターコンチネンタルホテル”だったような)を建設していた。あと、戦隊ものの戦闘シーンに使用されているイメージ。ここは緑地化して彫刻を展示するなど他とは違うが立派に再利用できていると思った。

 

萩が咲いていた。

 

姫りんごかな。

 

こちらは北ブロックにある『モニュメント』。

 

北ブロックには遊具やテニスコートもある。テニスコートの奥の崖の上は見晴らしの良い展望台となっている。

 

虎杖(いたどり)。公園化する際にある程度自然をそのまま残したのだろう。

 

因みに“タラコの産地”として有名な北海道白老町の「虎杖浜(こじょうはま)」はアイヌ語の「クッタイ」(虎杖が群生するところ)を意訳して付けた地名である。

 

何かわからないがキノコも生える。立方体の石にキノコとくれば、スーパーマリオの世界みたいだな。

 

ヤドリギ。一時期長野県に住んでいた頃は近所でよく見かけたなぁ。

 

再び路線バスに乗って真駒内駅に戻ってきた。この後、一旦ホテルに戻ってから、この旅を計画した時点で絶対に食べに行こうと決めて予約したお店に向かう。

 

<つづく>