札幌国際芸術祭2014における札幌芸術の森美術館での展示を鑑賞。
『ヴァルト・アウス・ヴァルト(林による林)』(栗林隆)。展示室に入った時、「?」といった感じで何なんだろうと思っていたら、スタッフの方に「空いている穴から頭を入れて覗いてみてください」とのこと。
覗くと、和紙でできた白い木の林に這い出た状態となった。
白一色の和紙のカラマツ林に踏み入れる部分とその穴の下の現実世界との“境界”を味わうインスタレーション。それは非常に奇妙な感覚で、何となく“無”の心境に近い。
でも、頭を現実世界に戻して“林”の下から“俯瞰”して見てみると、地底に閉じ込められた感じもして底知れぬ威圧感というか得体の知れぬ恐怖を味わった。
『FOGSCAPE #47412』(中谷芙二子)
作者は2日前に見た雪の結晶の研究家である中谷宇吉郎の娘で、霧の芸術家としても知られている。美術館の中庭にて霧を発生させる。その説明中。
霧が発生。
まあ、こんな感じか。
と思っていたら・・・
いやいや、どんどん霧が濃くなる。
どんどん霧が濃くなる。
どんどん・・・・。もうね、自分が動けばどの方向を向いていたか全くわからないぐらい。
こんな中で鑑賞者が減っていくとかとあるホラー映画のような展開とかは勘弁してほしいな・・・・。
時間が経つと、霧が晴れてくる。
外から見るとこんな感じ。奥のガラスの向こうが中庭部分。
“霧”も“和紙の林”も一種のインスタレーションなのだろうが、自分が作品の中に入っていくという感覚はよくよく考えると結構恐ろしいことだな、と。
でも、他の参加者と時間と空間を共有して体感できたことは楽しかった。
札幌芸術の森美術館の入り口にあるシンボル彫刻、『空と地の軌跡』(伊藤隆道)。この方は曲線のあるステンレスパイプを用いた作品が多く、印象的なのは箱根彫刻の森美術館にある『16本の回転する曲がった棒』かな。
箱根彫刻の森美術館にある『16本の回転する曲がった棒』
札幌芸術の森と街を隔てる真駒内川。この川を渡って、日常に戻る。
<つづく>