札幌満喫の旅 34 (札幌芸術の森野外美術館④) | Qの乗りつぶしニッポン

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日本国内のJR、私鉄の乗りつぶしを中心にぷらっと旅に出かけています。ここ数年は鉄路のない自治体へ路線バス等を利用して市区町村の塗りつぶしする機会が増えてきております。

札幌芸術の森野外美術館にて。

 

『鳥になった日』(山本一也)。手前が人間の身体と左足、奥がその人間の背中から生えた翼と右足のように見えた。

 

『月下』(中井延也)。“未知の生命体”とのことだが、私にはアザラシかクリオネ(手前)と達磨(奥)に見えた。いや、そもそも達磨は生命体じゃないな。“月下”なので、陽の当たる時間帯ではなく、夜に人知れず、しかも息を潜めて生きている何らかの生命体が今もどこかにいるのかもしれない・・・。

 

『波の重なり』(中江紀洋)。波は人生を表していて、1つの波を乗り越えてもまた次の波がやってきて、その波が収まらない内にまた次の波がやってきて、とそういうことなのかなと思ったり。

 

『隠された庭への道』(ダニ・カラヴァン)。ダニ・カラヴァンはイスラエルの彫刻家で、景観に同化させた作品が多い。ドイツ・ベルリンの『ヤコブ・カイザー・ハウス[Jakob-Kaiser-Haus]』にあるドイツ連邦共和国の憲法である「基本法」をガラス板に施した展示物、[Grundgesetz 49](写真中央の緑色に光っている部分)も彼の作品。

 

この作品は広範囲なため全景を撮ることは出来ない。まずは中間地点から上方を見た写真。円錐形の建物の奥に縦長の長方形の「門-2」があり、そこから蛇行する「水路」が「円錐」まで繋がっている。「門-2」の高さは7m、「水路」の長さは約70m、蛇行の幅は7m、「円錐」の高さ、直径とも7m。この“7”という数字がこの作品のポイントでもある。

 

「円錐」の内部。同心円状の階段で少し低くなった中心部に丸い窓がある。

 

「円錐」内部は外部の音が聞こえにくいと思っていたが、逆に余計な雑音が入らず周りの環境音(風や木々が揺れる葉音など)がひっそりと漂う。

 

丸い窓の下には雪。どうやって入れているのだろう。

 

「円錐」の天井部。特に何もないが、入ってくる音を吸い込んでいるかのように思えた。

 

「門-2」と「水路」。

 

季節によって見え方が大きく変わるのだろう。

 


「円錐」より下部にある「七つの泉」。1.4m四方の噴水が7つ並んでいる。

 

「七つの泉」の下部にある「日時計の広場」。時計代わりになる柱の高さはやはり7m。太陽が真南に来た時にだけ柱の真ん中の隙間から地面の真鍮プレートを照らすように設定されている。実際の標準時と柱の影が指す時刻は一致していない。因みにこの写真を撮った時間は2014年8月26日13時21分。

 

「門-1」。「門-2」と同じく高さ7m。内側に光って見えるのは金箔。背後にこんもりといている2つのドーム状の緑は「丘」。これらの直径も7m。

 

この作品の「門-2」の奥にはタイトルにもある“隠された庭”があるのだが、そちらは敢えて見ていない。「門-1」、「門-2」、「丘」、「日時計の広場」、「七つの泉」、「円錐」、「水路」で7つの造形物。

 

イスラエルでは耕作地を7年毎に休ませるという習慣があるようで、聖書では神は6日で世界を作り、7日目に休息を取ったとあり、これが「1週間」の起源となっている。“7”という数字は私たちの身の回りに深くかかわっているということを伝えているのだろう。

 

そういえば、諏訪大社の御柱祭も7年に1度だし、「賤ケ岳の七本槍」とか、「弁慶の七つ道具」もあるな。七福神、七不思議、七草、七癖、七難、七五三、御七夜、初七日とか結構あるもんだな。で、七光りは関係ないか・・・。

 

<つづく>