九州バス旅 33 (九州横断バス3号④) | Qの乗りつぶしニッポン

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日本国内のJR、私鉄の乗りつぶしを中心にぷらっと旅に出かけています。ここ数年は鉄路のない自治体へ路線バス等を利用して市区町村の塗りつぶしする機会が増えてきております。

大津町の市街地を抜ける。

 

薄っすらと阿蘇の外輪山の北向山(きたむきやま)が見える。阿蘇山に片足入れた感じだ。

 

この先、交通の難所である阿蘇山の外輪山の切れ目、火口瀬(かこうせ)を通る。火口瀬とは火口やカルデラの一部が浸食され火口湖の水などが流れ出して削り取られた峡谷などを指す。

 

大津町と南阿蘇村の境にある比丘尼谷峡谷に沿う形で国道57号線とJR豊肥本線と県道207号線が並行している。その谷に架かる新阿蘇口大橋(比丘尼谷橋)は国道57号線の拡幅工事に伴い、県道207号線に付け替えられた橋。立派なバスケットハンドル型ニールセンローゼ橋なのだが、私が訪れた2年後の熊本地震の影響はいくらかあったのではないだろうか。

 

道端には立野火口瀬の看板。阿蘇山には火口瀬が2つあり、今の立野の街が最初の火口瀬で、この辺りがさらに深く浸食した新しい火口瀬となる。

 

写真中央では左右の山の間が切れている。その辺りが立野の街の東端で熊本地震に因って阿蘇大橋などが崩落した個所に近い。この写真の左手にはJR豊肥本線の立野スイッチバックがある。

 

山の上から降りてきている黒川第一発電所の水圧管。取水はここから北東に3km程の黒川の上流で行っている。黒川第一発電所は1914年に完成した歴史のある施設なのだが、熊本地震の影響で導水管破損等があり、2021年現在も発電停止中。2026年度に復旧完了を目指している。

 

国道325号線に架かる南阿蘇橋。2021年3月に完成した新阿蘇大橋により、この橋は使われなくなっている。

 

2016年の熊本地震での数鹿流(すがる)崩れがあったその少し先辺り。右手に数鹿流の滝がある。

 

先に見えるのは数鹿流橋。

 

白川の支流となる黒川を渡る。黒川第一発電所の取水堰はこの先のもう少し上流にある。

 

バスは国道57号線から「阿蘇パノラマライン」となる県道298号線へと入る。JR豊肥本線を跨ぐ下野跨線橋を渡る。

 

AM10:34、定刻通りに猿まわし劇場バス停に到着。

 

AM10:38、こちらも定刻通りに阿蘇ファームランドバス停に到着。

 

周りに木々がなくなり、見晴らしの良い道を走る。正面は北西側の外輪山で豊後街道の二重峠(ふたのえのとうげ)があり、今でもその石畳が残されている。

 

こういった開放的な風景は日本ではなかなか見ることが出来ないと思う。

 

斜面の奥にこんもりとした山が見えてきた。米塚(954m)。

 

阿蘇五岳の1つ、杵島岳(きしまだけ、1326m)は雲が掛かってよく見えない。米塚も杵島岳も成因は同じで、火山活動に伴う火山砕屑物(火口から噴出した固形物で溶岩以外のもの)が火口の周りに降り積もり丘となったもので、これを火山砕屑丘という。また、両者とも噴出した岩石がスコリア(砕屑物の一種で多孔質で暗色)であるため、分類的には「スコリア丘」とも呼ばれる。

 

阿蘇山に近づくにつれ天気が悪くなってきているような・・・。

 

<つづく>