2014年5月下旬の道東の旅。
越川橋梁が架かる幾品川に沿う形で国道244号線を登っていく。
ガスで霞んでいるこの辺りではまだ雪が一部残っている。
斜里町から根北峠を越えて標津町に入る。言っては失礼に当たるのかもしれないが、このようなところでもテロ対策を警戒しているんだな。
峠の辺りは白樺の群生林。
道路脇にある看板は『日本で最も美しい村連合』のロゴマーク。この連合は“フランスの最も美しい村運動”に影響を受けて、2005年に北海道美瑛町・北海道赤井川村・山形県大蔵村・岐阜県白川村・長野県大鹿村・徳島県上勝町・熊本県南小国町の7つの町村によって発足され、その翌年に特定非営利活動法人となったもので標津町は2007年に加盟している。
連合の主とした目的をHPから要約すると、「景観や環境、文化など地域の独自性を保ちながら観光促進を図り、地域の資源保護や経済発展に寄与すること」で、「地域の活性化と自立を住民自ら推進することを支援している」とのこと。2021年3月現在の加盟自治体・地域は63で、加盟するためには資格審査(人口1万人以下の自治体、など)もあり、また5年毎に再審査もある。ただ、設立当初から加盟していた岐阜県白川村は「思ったほどの効果が得られなかった」として2014年に自ら退会しており、連合体としてではなく自治体自らが思う「美しい村」を目指して退会するパターンもある。尚、『日本で最も美しい村連合』は『フランスの最も美しい村協会』などと共に『世界で最も美しい村』連合に加盟している。
ただ、途上国からはこの運動に対して“先進国のエゴ”と評しており、地球規模で見れば価値観の相違は免れない。
峠を降りると低地に広がる酪農地域。
峠道と違い、道路は真っ直ぐ。
遠くに横たわるのは知床連山。これまた見たことない雄大な景色。
こんもりとしている山は海別岳(うなべつだけ、1419m)。
写真中央やや右の尖がった山は温根別岳(おんねべつだけ、1330m)、その右に知西別岳(ちにしべつだけ、1317m)、少し離れてその右に雲で見えにくいが羅臼岳(1661m)が見える。
手前の緑と山影と空の青のコントラストが綺麗だ。
<つづく>