太極拳は出来るだけ筋肉に頼らないと教えられる。ではどうやって力を生み出すのか。それの一つの答えが骨を使う事だと考えている。人は巨大な地球の重力に対して、骨格で体を支えている。これと比べれば、重力とは関係の無い方向に推したり引いたりしている力など取るに足らない。然るに、骨の支える力は極めて大きいが、実感もし難いのも事実である。それを感じやすくする為にも、骨に気を纏う事を試して頂きたい。抽象的すぎて判りにくいかも知れないが、多少でも気を感じる方ならば、骨の周りに気を集中する感じから始められると理解し易いだろう。さらに、骨の周りに気が纏わりついていくイメージが出来れば十分だ。拳を握って伸ばした腕を、正面から推して貰えば、骨に気を纏う効果が容易に実感頂けるので、是非お試し願いたい。体が骨で支えられている感覚を使いながら気を浸透させて、套路や推手を練習してみて欲しい。