フランス人になる | 錦鯉春助の冒険

錦鯉春助の冒険

日常の恐ろしき風景

 女子大生と同棲してる時、女は20歳で僕は25歳だ。この時はお互いに若いから若さの美徳に気付かない。

 

 女はミニスカートとエプロン姿で後ろを向き小さな台所で何を作っていた。

 

 ミニスカートにエプロン。これって男からすると、やってくれと言うのと同じだよな。だから背後から抱き締め、Tシヤツの上から胸を揉んだ。

 

 ごわごわしたブラの下に突起物がありあり感じられた。

 

「あ、あかんて!」

 

「フランス人は台所でするのが好きなんや」僕は彼女の耳元で囁いた。

 

「うちら日本人や」

 

「違う。我々はルイ王朝の末裔や。マリ―アントワネットは親戚や!」

 

 そしてウロ覚えのラ・マルセイエーズを歌う。

 

 大概の共和国の国歌は革命歌である。アメリカ合衆国も共和国だから国歌は革命歌だ。

 

 そこで畳の上に組み伏せ下着だけ脱がせミニスカートのままで結合してラ・マルセイエーズを歌うのだ。

 

武器を取れ 市民らよ 隊列を組め 進もう進もう 汚れた血が 我らの畑の敵を満たすまで

 

 結婚を前提にしない男女の恋愛の賞味期限は2年だろう。

 

 何しろ結婚は強人的か狂人的か知らぬが圧倒的な努力を要する。幾らリンゴが好きでも一生リンゴだけを食べ続けねばならないからだ。

 

 まぁ、これは建前であり世の夫も妻も浮気する。現に僕は独身時代に数人の人妻と関係をもった。

 

 なかには亭主が出勤してる時に女の家の夫婦のベッドに誘われた事があった。人妻はベッドで僕の上に乗り亭主の悪口(殆どが◯漏や◯茎の類)を叫び興奮して乱れに乱れた。

 

 こんな経験を若い頃にしてると世間が歪んでしか見えない。

 

 結局同棲してた彼女とは1年半で別れた。彼女は実家に戻り大学へ通った。

 

 共通の友人である男友達によると大学に戻った彼女は男漁りしながら派手に遊んでいるそうだ。

 

 僕は笑った。人間は馬鹿を繰り返しながら歳を取っていくのだ。


 それ以外の歳の取り方何かない。