初めては困る | 錦鯉春助の冒険

錦鯉春助の冒険

日常の恐ろしき風景

 前に書いたが僕は高校三年間、一人の彼女だけと付き合った。


 高校生始めての日、教室に入り彼女を見て一目惚れした。その彼女と人生初のあれも出来たから幸せ者だ 


 だが簡単に結ばれたのではない。こちらの道具は興奮で猛り狂い、彼女の門に先っぽが触れただけで爆発した。


 だから何度も失敗を繰り返した後に結ばれた時は性的興奮より安堵感が強かった。


 大学を中退して大阪に戻った頃、女子大生のAと知り会った。古典的古風な顔で市松人形を連想させた、


 プロポーションは垂涎もので素晴らしかった。背が高く凹凸も括れも申し分ない。


  彼女は有名人だった。男殺しと呼ばれていた。彼女で泣いた男は数知れない噂だった。


 僕と彼女の共通の友人が紹介してくれて我々はたちまちホテルに行く関係になった。


 全裸で抱き合い、いざ突撃の段階で彼女が僕の耳元で囁いた。


「初めてなの」

「初めて?何が?」


「だから未経験なの」

「へ?」


  我が耳を疑った。彼女は噂には尾ひれが付き独り歩きするから私にはどうにも出来ないと。


 しかし初めてだと知らせるのが遅いよ。男にも心の準備がいる。


 だが彼女は芝居してるのでもなく嘘でもない。破瓜の恐怖が緊張するのだろう尻も腰も太腿も石のようにカチカチだ。こうなれば医師と患者の関係だ。


「心配するな。絶対に痛くないようにする。だからリラックスして」


 破瓜の恐怖はあっても彼女の道具はベタベタに濡れている。僕は数ミリずつ入っていく。彼女に気づかれないように。もう楽しむ気持ちはなくほんまに手術の感覚だ。半分ほど侵入してから一気に貫いた。


 僕は女の処女性などまったく興味がない。だから初物は苦手で相手するのは勘弁して欲しい。


 数年後にまた初物が相手だった。28歳の女だ。28歳まで男を知らないのかは此方の勝手な思い込みであり、28歳で処女はゴロゴロいる。


 彼女もまたギリギリで僕の耳元に囁いた。恥ずかしくて中々云えないらしい。気持ちは分かるが。


 それなりに努力はした。道具にバターやワセリンを塗り滑り易くした


 だが心に塗る事は出来ない。いざ突撃の時、彼女の腰が逃げるのだ。何度云っもやっても彼女は腰を引くのだ。


 そして悲劇がやってた。いざ突撃の時に僕のがお辞儀したままなのだ

彼女は泣いたが僕達は別れた。お辞儀が治るまで半年掛かった。