恐怖のシカゴ・ホワイトソックス | 錦鯉春助の冒険

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日常の恐ろしき風景

 メジャーリーグもレギュラーシーズンが終わりトーナメントによるボストシーズンが始まっている。


 そしていよいよワールドシリーズが始まる。


 どちらにしろボストシーズンに進んだ球団は強いチームばかりだが今回は弱さのメジャー記録を作った

チームの話しである。


 アメリカでも1つの都市に2チームが存在するのはニューヨークとロスアンゼルスとシカゴだけだ。


 そのシカゴのホワイトソックスの話しである。


 ホワイトソックスは1901年創立の名門球団でありワールドシリーズは3回優勝している。最後のワールドシリーズ優勝は2005年である。確か福岡ダイエーから移籍した井口資仁選手がいた。


 ホワイトソックスはメジャー史で最も有名なブラックソックス事件を起こしている。


 時は1919年のホワイトソックスVSシンシナティレッズのワールドシリーズで起きた八百長疑惑である


 1900年代初頭と現代のメジャーリーグではまったく別物である。当時の選手達は圧倒的に薄給だった。


 特にホワイトソックスのオーナーは吝嗇で有名で選手を徹底的な安給料でこき使い、ユニホームの洗濯代も自前だった。


 洗濯代も払えない選手達は自分で洗う他なく白いソックスが何時も汚れてるからブラックソックスと呼ばれていた。


 レッズに3勝4敗と負け越したホワイトソックスの試合は明らかに無気力だった。当時のメジャーは八百長試合は茶飯事であり八百長をやらなくては喰っていけなかっのだ。


 メジャーリーグ機構は八百長の撲滅に乗り出す。野球の危機であったからだ。


 ホワイトソックスの8人の選手が起訴される。だが市民達は選手に同情的だったから全員無罪となる。


 しかし八百長試合はあったらしいからメジャーは最高権力者としてのコミッショナー制度を作る。これが今日まで続くメジャーの権力構造だ


 コミッショナーは8人の選手を永久追放処分にする。これはスケープゴートと云われる。


 例えばタイ・カップ。メジャーでも少ない4割打者で三冠王で生涯打率は.360と途方もない記録の持主だ


 彼は選手としては最高でも人間としては最低だと云われた。


 人を殴り全ての悪には加担した。八百長事件でも調べられた。だがメジャーにはスーパースターが必要だった。


 日本でも福岡の西鉄ライオンズの選手が八百長で永久追放になった。黒い霧事件だ。これもトカゲの尻尾切りと云われた。巨人や阪神に飛火したら野球の存続が危うくなる。


 メジャーはレギュラーシーズンが162試合だ。シカゴ・ホワイトソックスは今年近代野球の1シーズン最多敗戦記録121敗を作った。100敗でも不名誉と云われる。あのエンジェルスさえ99敗に踏み留まったのに