資本主義社会 | 錦鯉春助の冒険

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日常の恐ろしき風景

 大谷翔平は資本主義の申し子だと思う

 

 資本主義の中で労働者の定義は次の如くだ。

【労働者=自己の労働力以外に売るものを持たぬ人間】

 

 この労働者の象徴が売春婦です。労働力を売る=身体を売るは同義語。典型的な労働者として物語や哲学では娼婦が労働者の象徴として扱われる。

 

 同じ労働力を売るにしても、そこに付加価値を付けたら高く売れる。大谷の場合なら二刀流です

  

 野球を知らない人は理解できないが野球において二刀流は恐ろしいほどの破天荒で非現実的で非論理的で非生産的です。だからベーブ・ルース以後の近代野球では誰も挑戦しなかった。


 

 大谷はマイナスの二刀流をプラスに変えてしまう。この付加価値は物凄く高い。

 

 では他の選手は二刀流に挑戦するか?まずしない。リスクが大き過ぎるからです。つまり非生産的だからです。


 二刀流が非生産的と一番理解してるのは大谷自身だろう。大谷は漫画の主人公みたいだが、漫画の主人公ではなく現実の人間だ。それは彼も歳を取るからだ。


 30歳を超えると怪我が増える。同じ怪我でも20代では3日で治ったのに30歳ではひと月掛かる。


 それにメジャーリーグの主力は何時の間にか24.25歳に移りつつある


 恐らく大谷はドジャースと新しい契約書を交わしている。


 2025年に二刀流に復活すると短い場合には二年後に外野手一本の打者に転向するだろ。


 大谷の場合、資本主義国の労働者としてまったく正しい。


 日本の「働き方改革」では労働者の勤務時間も減らないし給料も増えない。まさに岸田政権の悪政だ。


 こんなハンパな改革をやるから廻りまわって「小学一年の壁」と云う奇妙なモノが生まれ、両親のどちらかが仕事を辞めねばならなくなる。子育て以前の問題だ。


 自由業に近い僕に云わせると日本の企業は就労時間を固定する意識が強すぎる。朝の9時から夕方の5時と決めても、日本の労働生産力は先進国で最低だ。


 それに小学一年の壁だが、僕等が小学生の頃は学校の校門は24時間開いていた。便利な社会に成ったと云われるが、本当の便利はドンドン消えて行く。


 驚くべきに日本の労働者は誰からも守って貰えない。現行の「労働基準法」は労基署と企業の味方だ。


 労働者は法律からも見放され労働組合からの庇護もない。何故なら日本の組合の殆どが会社の御用組合だからだ


 組合の書記長が人事移動で本社の部長に昇進する茶番は当たり前の姿だ。労働基準法を改正しなければ過重労働も過労死も無くならない。


 現在の労基署は権力も与えられていないしブラック企業に対する抑止の武器もない。


 20数年前、労災病院の医師が過労で倒れ労災認定を申請すると労基署や当の労災病院が拒否した。内の病院には労災問題はないと。ブラックユーモアにもならない


 この国の労働問題や危機管理や人権はヨーロッパの中世並みだ。