母が本当に求めているもの | 不幸を書こうか幸福を書こうか、それが問題だ

7月の9日に胃がんと肝臓がんの摘出手術を行い

24日に転院する母は

もはや、エネルギーバンパイアと化していて

わがまま放題である。



 というより、父のやることなすこと
全てに嫌味を言い


「袋をもってこい」と言っては

持ってきた袋を見て 


「 こんなの、使えない!」と叩き返す。



 役立たずの男だ、と罵る。



     酷い話だと思うが


長年の父の態度を鑑みると

お互い様のような気がする。 




 先週の土曜日に面会に行ったとき


母が 病室のトイレに行きたい、と言い出して


ベッドから自分で降りて歩いて部屋のトイレに行った。




 その際「 ちょっと付いてきてくれる?」   と頼まれた。 



 ただ部屋の中のほんの二メートルくらい離れたところに行くだけだ。


 付いて行くも何も無い、と思ったが


母にしてみれば




見ていてくれる、という状態が、欲しいほど


全体的に不安だ、ということだとわかった。




 父は不器用で


子供を抱っこ一つしたことがない人だ。



 なので、足元の不安定な母に手を貸す


などということができない。



 母が求めているのが

それなので、


そんなことすらできない父に

怒りをぶつけている。



 良いものが食べたいとか

 良い病室に入りたいとか


そんなことは望んでいない。




 ただ、そばにいて私を見ていて





それだけなんだよね。



 それができない父。 



 うまく伝えられない母。





 やっぱ、夫婦って


難しいね。そう思いました。