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世界観を守るという役割

こんにちは。

インターン生の鶴岡です。

 

今回の取材は、伊藤忠食品株式会社の広域第三営業本部コスメチーム主任 枝川和佳子さん、経営戦略部IR広報・CSRチーム 田井総一郎さん、山口洸輝さんにお話を伺いました。

 

伊藤忠食品?食品の卸売をしている企業がなぜ化粧品?

僕もはじめはそう思っていました。

しかし、化粧品が主軸の食品事業を引っ張る側面がありました。

それを実現した要因についてお話しします。

 

ところで、女性誌でよく紹介されるあのボディケアシリーズ「ボーテデュサエ」はご存知でしょうか?実は、「ボーテデュサエ」は伊藤忠食品さんによって手掛けられているのです。恥ずかしながら、僕はこの取材企画を進める中で知りました。その「ボーテデュサエ」は伊藤忠食品が「この先、食品だけでは生き残れない」という危機感に端を発し、ザ・リッツホテル・ロンドンで働いたのちにセラピストの資格を取得していた木村小枝さんをプロデューサーとして招いて誕生したブランドです。取材に応じて下さった枝川さん曰く、「ボーテデュサエは伊藤忠食品の名前をできるだけ出さずにやっていこう」という決まりのもとブランド展開を進めていったそうです。なので、普段は伊藤忠食品の広報を担当している田井さんや山口さんとはあまり接点がないそう

 

ここでひとつの疑問が浮かびました。

 

「なぜ伊藤忠食品で手掛けているのに、伊藤忠食品の名前を出さなかったのか」。

 

それは、伊藤忠食品という既に信頼を得た名前で判断されるのではなく、この「ボーテデュサエ」を純粋に好きになってくれる本当のファンを作りたかったからだそうです。

 

そのため、枝川さんは同じ百貨店でも伊藤忠食品さんが今まで取引をしていた売り場とは全く接点のなかったフロアや売り場に販路を求めていきました。

 

2009年に「ボーテデュサエ」が誕生してから4年、枝川さん曰く、伊藤忠食品が手掛けていると徐々に認知されつつも、根強いファンによって支えられているそうです。

 

そして、誕生から4年経った今でも最もやりたくないことは、

「テレビやラジオにボーテデュサエを露出させること」だそうです。

 

この答えには驚きました。

ファンを増やすためには、とりあえず多くの人に知ってもらう必要があり、そのためには多くの人に届くテレビで紹介することが手っ取り早いのではないか!?

 

しかし、見当違いでした。この「ボーテデュサエ」を流行に左右されず長く愛されるブランドを目指しているそうです。一度に色々な層の人に知ってもらうよりも、ターゲットとなる30代女性から50代女性がどんな肌質になっていて、何を求めているのかを徹底して考え、「こういうシーンで使える」と世界観を妥協せず伝えること。この軸をぶれさせないことを大事にしていました。

 

その結果、「ボーテデュサエ」が進出したフロアや雑貨屋で少しずつ食品が置かれるようになりだしたそうです。これは、ファンが徐々に定着している証ではないでしょうか。

 

商品を多くの人に知ってもらえればそれでいいというわけではない。

商品を外に伝える役割のある人は、ブランドを守るべくメディアを選ぶ、情報を調節するなど大切な仕事も背負っている、と今回の取材を通じて学ぶことができました。

 

今後は、ボーテデュサエのみならず、他の商品に対してもなぜこのメディアを使っているのかというところまで思考を巡らせたいです。

 

最後に、枝川さん、田井さん、山口さん

お忙しい中、取材に応じていただきありがとうございました。

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