旧天願橋(きゅうてんがんばし) | 沖縄の裏探検
2023-06-20 08:47:18

旧天願橋(きゅうてんがんばし)

テーマ:ブログ


うるま市字天願を流れる天願川の近くに旧天願橋と呼ばれる遺構があります。


天願川に掛かる茶本根橋という橋を渡って対岸へ行くと木々が覆う窪地みたいな場所があります。砂利道のY字路の先に旧天願橋があります。


Y字路の先から見たところ。
旧天願橋は橋脚の辺りから中央に折れています。これは老朽化して壊れたのでは無く、戦時中に日本軍によって破壊されたのがそのまま残っている姿です。


北側から見るとこんな感じです。橋の上は草が覆っています。


橋を上から見たところ。ここは立ち入りは禁止されています。


南側から見たところです。ここから見ると折れている様子がよく分かります。
橋の下は小さな川があって左奥の流入口を通って天願川の本流へ流れていきます。元々は清流だったとの事ですが、現在は水量が減って静かに流れている状況でした。


史標の近くにこうした看板があります。戦争遺跡としては保存状態が良く、地元もこの橋を後世に残していきたいと思ってこの看板を設置しています。


これは史標に写っている旧天願橋の姿です。
旧天願橋は1934年(昭和9年)に開通しました。コンクリート製の二重橋でターチ(2つ)橋と呼ばれていました。人々の移動やサトウキビ、物資等の運搬に使われていました。
そのモダンな佇まいで南沖縄八景とにも選定されたという事です。

1945年3月下旬頃。沖縄戦でアメリカ軍が上陸して来ると、北部侵攻を遅らせる為に旧天願橋を破壊しました。そして橋は画像の様に折れました。
しかしアメリカ軍は折れた橋の上に重機で盛土を行い3日で渡河してきました。橋の上に草が覆われているのはこうした理由があります。
終戦から2年ほどして住民が解放された後も橋はそのままになっていました。



今では新しい天願橋が通っていて交通量の多い道路となっています。
今も昔も人々の生活に根付いています。