前回の外泊訓練を期に、ケイトさんは地元のAA(アルコール依存症の自助会)にも参加するようになっていました。

ちょうど土曜日の19時〜なので、外泊の日はAAに参加してから帰ってくるという流れになっていました。

1月の入院から約2ヶ月。おそらくこんなに飲まないことは今までなかったのだろうと思います。

まず第一に、送られてくるLINEの文章が確実に明確な文章に変わってきていました。

今まで黙って下ろしていたお金も「生活費、5,000円下ろしますね」と、普通の文章になってるし、当たり前に私に教えてくれる笑

私からのLINEも未読スルーが原則だったのに「ごめん。飯を食べてて気づかなくて」ってちゃんと返信がくる。

 

そして言葉のコミュニケーションが取れるようになると、お互いに「ありがとう」が増えていくみたいで、ある時は私が仕事から戻って冷蔵庫を開けたら苺サンドとバウムクーヘン!というケイトさんからの初めてのサプライズプレゼントがあったりして爆  笑飛び出すハート

少しずつケイトさんへの安心感が増えていきました。

 

入院生活も折り返し地点になると、デイケアへの体験通所でお茶碗を作ってみたり(私の名前入り照れ)、絵手紙を書いてくれたり。

そして、お酒をやめたことでいろんな数値が血液検査の度にぐんぐん改善!

体調がいいから表情もいいし、気分に波がないので安心してそばにいられます

電話で話しても言葉も聞き取れるし、コミュニケーションに何の問題もありませんでした。

 

そうなると私も仕事に集中できるのと、休みの日にはケイトさんの陣中見舞いをかねたデートをして楽しむということもできるようになっていました。

 

あるときケイトさんが財布を忘れて帰院してしまい、届けに行ったことがありました。

これまでは何をしても「ありがとう」なんて言われたことはなかったのに

「ありがとう。わざわざ持って来てくれたのが嬉しい😆

というLINEが届いたときは、天地がひっくり返るくらい嬉しかったです。

と同時に「これが本来のケイトさんなんだな・・」と思いました。

「次の土曜に帰る! 日曜の4時までには(病院に)帰る!!」

と短いLINEがケイトさんから届いて、いよいよ外泊訓練が確定したことを知りました。

 

ケイトさんが入院して初めての外泊。嬉しい気持ち4、不安6・・・かなぁ・・


社会復帰したいとケイトさんも私も願っての今回の入院です。

外泊訓練は退院後にどうお酒と向き合い、また家族とどうコミュニケーションを取っていくかの練習の機会です。

シラフのケイトさんが帰ってくることは嬉しい気持ちもありましたが、やはり不安が大きくて。

なので、ケイトさんが帰ってくることで何が不安か考えてみました。

お酒を飲んでしまうリスクもゼロじゃないこと、飲んだらまた暴言の嵐になるかもしれないこと・・、「病的酩酊」になるケイトさんは高リスクです。単純にそこへの懸念がありました。

 

でも、それよりももっと大きな不安があることに気づきました。

私は、ケイトさんといることで私が我慢をしてしまうことが不安なのです。

以前の私ならそんなことは微塵も思わなかったし、自分が我慢するのはむしろ当然という認識でした。だから苦痛に感じることもなかったのです。

前提として、苦痛は全て封じ込めていたのです。感情に蓋をして苦痛を感じないようにしていました・・

でも自分で自分のお世話をし、自己否定を止める努力をしている今は、「我慢することが苦痛だと感じてしまうのでは」と思ってる。嫌なことを嫌と伝えることができるかどうかが不安なのでした。(私が嫌だと伝えることがケイトさんのストレスやダメージとなり、飲酒の引き金になってしまう心配も考えていました)

 

気持ちを伝えることは難しい。増してケイトさんは生来 短気な性格の上に今は依存症のリハビリ中・・。ケンカにならずに伝えることができるかな?

 

・・っていうか既に私、我慢する気全然ないじゃん笑い泣き

それが答えだな、きっと。

もし険悪な雰囲気になったら避難用アパートへ帰ればいいだけのこと。そのために借りた部屋なのだし。

不安の中身を知ったことで、私は複数の事案に対する行動パターン(対応策)を決めることができました。

 

 

 

そんなあれこれを考えているうちに土曜日はやってきて、ケイトさん久しぶりの我が家の日。

私は21時過ぎまでバイトだったのですが、ケイトさんからLINEが。

 

ケイト  「ぶらうすの箸、1本ないのか🥢」

ぶらうす「うん。ちょっと行方不明になりました💦  割り箸を使います。」

ケイト  「あーい」「帰りに炭酸かノンアル、買って来て」

このLINEのやりとりで、ケイトさんが鍋を作ってくれたのだと理解しました。そして、よく私の箸がなくなっていることに気づいたなと・・。(シラフだとこんなことにも気づけるひらめき電球

 

久しぶりに食べるケイトさんの鍋は野菜てんこ盛りで美味しくてラブ

ケイトさんはお酒を飲まずに過ごしていました。

「ここまで酒なしで頑張って来たのに、外泊で飲みましたなんてカッコ悪すぎだろ?」と笑ったりして。

久しぶりにお風呂に入って「やっぱ風呂はいいね〜!」と炭酸グビグビ笑

結局、あんなに心配だったあれやこれやが現実化することはなく、私が「嫌だな」と思うことは何一つありませんでした

 

お酒のないシラフなケイトさんは、優しくて、よく笑って、よく喋る笑

当たり前のことが当たり前にできる暮らしがありました

こんなケイトさんなら夫婦として頑張れそう・・そんな風に思えた外泊訓練でした。

 

 

 

 

 

ケイトさんがアルコール専門病院に入院して3週間。

 

差し入れでケイトさんからのリクエスト品を鞄に入れて面会に向かいます。

久しぶりに会ったケイトさんは表情が穏やかで、安心して側にいられました照れ

午後はコートさんの施設で開催される依存症セミナーに参加予定だったため、ケイトさんに差し入れとお小遣いを渡してすぐに帰ろうとすると「駅まで送るよ」とドキドキ

 

駅までの道すがらケイトさんは色々話してくれました。(飲んでたときは文句しか言わなかったので笑い泣き、こんなにおしゃべるする人なんだと今頃知りました)

 

入院して初めて強い飲酒欲求があり、コンビニまで行ってしまったそうです。

何を飲もうか迷っていた時「何にするか決められないんだから、一旦外に出よう」と。その後近くの公園を散歩して無事に帰院。

 

でもやっぱり飲みたい気持ちが収まらず、もしかして糖分をとったら緩和するんじゃないかと「初めて自分のためにチョコを買ったよ笑」って。

お湯に溶いて少しずつ飲んだら落ち着いてきたので「甘いものって(飲酒欲求を抑える)効果あるのかも」。

 

そして、そのことを看護師に言うと直ぐに「そういう欲求を抑える薬がありますから!」と持ってきてくれたそう。人によって何分で効いてくるかわからないので報告してくださいと言われたようでした。

そして

ちゃんと正直に言ってくれてよかったですよ。そういう衝動があることを話さないで呑んでしまう人が多いから

と誉められたみたいで、嬉しそうな表情で話してくれました照れ。(大の大人でも褒められると嬉しいらしい笑)

 

仲良くしてる入院仲間たちにも話したら「そういう時は、まず食べろ」と、みんな手持ちのお菓子を次々持って来てくれたそうです爆  笑

 

更には「断酒会も大体同じメンバーだから、違うミーティングにも行ってみようかな」と言ったんです!

 

散歩するにもお酒の誘惑がない道を意識的に選んで歩いているのがとても伝わってきたりして、もうね、これらのケイトさんの変化、凄いなと思いましたし、これらは私にとって本当に嬉しい変化でした!ドキドキ

やっぱり同じ苦しみを持つ人とつながることは励みになるんだなぁと、生気が戻ったケイトさんの表情を見てしみじみと思いました。

 

そしてもう一つ。

ケイトさんは病院のプログラムでこれまでの人生の振り返りをノートに書き出していました。自分の名前しか書かない人が人生を振り返ってノートに書くとは正直驚きました。(多分、初めての経験でしょう。書きすぎて手が痛いと言っていたので笑い泣き )

文字で表現することは様々なことを気づかせてくれるものです。ケイトさんもこの作業で周囲の人々が敵ではなく、自分が味方の中で生きていることに気づいてくれたらいいな・・・

 

あ〜、ケイトさん闘っているんだなと感じました。そして、闘い続けるにはやっぱり仲間と環境も大事なんだなと。

 

一方で依存症について新たに気づいたこともありました。

ろくに働いてもいないのになぜかボーナスが支給されると思っていたケイトさんアセアセ

私が「ボーナス、出るのかな? 期待できないんじゃないかな?」と言うと、今度は「履歴書持ってきて」。

お酒の誘惑だらけの飲食業界で飲まずに働く自信があるのかな? 今の会社は辞めるつもりなのかな?

依存症のこと、お金のこと、公的支援のこと、ちゃんと学んだら安易にバイトしようなんて考えには至らないと思うけど・・

多分、そこまでは思い寄らないんだろうなぁ・・。

そもそも、そういうことを他人に相談して知恵を借りるという発想がないのかもしれない

ケイトさんは幼少期から親族や知り合いの家に転々と預けられて育ってきた人なので、何でも自分一人で決めて生きてきたから、誰かに相談したり意見を求めるという経験もないのかもしれない。

だから自分一人で抱えて、抱えきれなくなって、お酒で紛らわせるしかなかったのかも・・・

 

ケイトさんと駅まで歩いたのは短い時間でしたが、依存症の気づきを多く得られた貴重な時間でした。

 

 

 

 

 

コートさんのメールに読んで「無心されても補填しない」・・これが境界線なのだなと思いました。

CRAFTは理解できたと思っていても、やはり実践は簡単ではないこと思い知りました。

「足りない」と言われるとつい何とかしなきゃと算段してしまう・・これが罠でした。

結局ケイトさんは不労所得を得て好きなものを買い、パチンコをし、食べたいものを食べ、資金が尽きればまた無心してお金を手にいれる。

これでは負のサイクルが止まるわけがありません。

 

思えば同居を始めた頃からそうでした。

「俺は貯金なんてできない。財布に入ってたら入ってる分使っちゃうから、ぶらうすが管理して。俺は必要な時に必要な分貰えればいいから。」

 

当時、こう言われて私は「頼りにされてるんだ」と勘違いしていました。

「必要な時に必要な分もらえればいい」なんて、こんな便利なお財布はありません。

(しかもケイトさんの言う「必要な分」とはお酒とタバコとパチンコゲロー

私がケイトさんから言われたとおりにお金を渡してしまうから、ケイトさんはいつまでもお酒とパチンコに行けてしまうし、向き合うきっかけもやって来ません。

それはつまりケイトさんの回復の機会を奪うことと同じ。

イネイブリングです。

 

最初からこんな調子でスタートした暮らしだったので、こうなることは必然だったんだなと今は分かります。

そして、このお金の面でも私は存分に共依存を発揮していました…

共依存の特徴とも言える「必要とされる必要」・・・まさに私はケイトさんと出会ってからこれを満たしていたのです。

 

 

改めて境界線について考えていたとき、ケイトさんから電話が。

「今度の土曜に来るときにさぁ、・・・」と欲しい物リストを告げられた瞬間、

「ごめんね、今度の土曜はコートさんのセミナーに行くから…」と断ってしまいました。

正直、あれこれ無くて不自由でも少しは耐えてよという、ちょっと意地悪な思いも有りました。

 

珍しくケイトさんから電話がありました。

 

「この間、ぶらうすに貰ったお金使っちゃいました」

「パチンコの誘惑に負けました~」

「今度からSuicaに入金してから持ってきてください」

俺、ギャンブル依存症かな~」(軽々しく言うな!!グー

 

・・・はぁ!?びっくり  何それ!!ゲロー

Suicaに入金したってどうせくだだらないものに使うでしょうがぁ(怒)ムキームキー

しばらく来れないかもしれないから大事に使ってねって言ったのに・・

 

お金の管理に関しては本当に小学生以下です。呆れて物も言えません。

お金は大事。本当に大事。ケイトさんにもわかってもらいたいと思うのは私のエゴなの?

この調子で毎回せびられても困るので、どう対処すべきかコートさんに相談することにしました。

 

*コートさんへのメール

 

 

先週の土曜に夫と面会した際、断酒しようと意識している様子が見られ、良かったなぁと思っていたのですが…

 

先程、夫から電話があり、

「(土曜日に)貰ったお金、使っちゃいました!」と。パチンコの誘惑に負けたそうです。

「今度はギャンブル依存症かも」と笑って言うので、返す言葉もなく、私も黙ってしまいました。しかも

「今度来る時には(断酒会に通うための交通費を)スイカにチャージして来て♪  あと、煙草を10個くらい買ってきて。お菓子は我慢するから♪」と。

挙げ句の果てには

お小遣い欲しいから稼ごうと思うんだよね。建設現場の日雇いとか、ダメかな?」

もう、開いた口が塞がりません…

CRAFTのこともすっかり忘れ、ただただ呆然としてしまいました。

 

そこで、コートさんにご相談したいのが、お金についてです。

夫は断酒会への参加が始まり、実際のところ交通費もかかるし、コインランドリーなど細々とした費用が必要なのは事実ですが、ご存知のとおり自分の欲求を抑えられません

「私もバイトが始まると次はいつ来られるかわからないから、大事に使ってね」と念を押して渡したお金も翌日に消えてしまうくらいです。

現金で渡さずスイカに入金して渡したにしても、あっという間に使ってしまうのは目に見えています。一体、どのように対処したら良いのでしょうか?

ほとほと困っています…   蒼いぶらうす

 

*コートさんからの返信*

 

なんと,,

仰るとおり、開いた口が塞がらない、ですね..

 

まだ、ご主人の中で甘えが見える状況ですね。

結論として、【 必要な経費(交通費、コインランドリー等)以外は渡さない 】対応がベストです。

ご主人の依存行動を助長してしまうおそれがあるため、

 

|「(土曜日に)貰ったお金、使っちゃいました!」と。

|パチンコの誘惑に負けたそうです。

|「今度はギャンブル依存症かも」と笑って言うので、返す言葉もなく、私も黙ってしまいました。

上記によって消えてしまった分のお金については、補填しないほうがよいです。

結果、断酒会に通うお金がなくなって断酒会に行けなくても、「自分の責任である」「自分の責任は自分で取る」ということを徹底して理解させたほうが良いです。

※ただ、これをするとご主人が威圧的な態度をとったり、等が考えられる場合はしんどいのですが..

 

 |現金で渡さずスイカに入金して渡したにしても、あっという間に使ってしまうのは目に見えています。

これについても、すぐにご主人が使ってしまうのであればそれはご主人のせいであるので、ぶらうすさんが責任をとったり、サポートをする必要はありません

ここも、例によって境界線を超えない、というところですね。

ちょっと、よくわからない、でしたら電話でお話しましょう!宜しくお願い致します。   コート