今日は朝イチで検査結果を聞きに来られた患者さんがいらっしゃいました。
ちょうど1週間前に、「喉が詰まった感じ」を訴えられて胃カメラをしたところ、食道に巨大な進行癌があって、食べ物の通り道が癌によって占拠されている状態でした。
病理検査を大至急で行い、紹介先の大きな病院に予約を入れる段取りまで進め、今日、朝イチで検査の結果を説明した後、患者さんはその足で紹介状を持って受診して頂く流れになっていました。
70代後半のその方は1年間で10キロ体重が減ったとのことですが、生きる意欲が目力に表れて、めちゃくちゃ気合いが入ってました。
なんて言うか、腹の据わり方が武士のような威厳に満ちていたのです。
なので私も武士のごとく腹を括って、話をしました。
食道を狭めていたのは癌であったこと、そして肝臓や胆嚢にも転移の可能性があること、切除が難しいかもしれないけれど、癌のあるところにワイヤー状のメッシュを広げて食べ物が通過する道を作ることができるなど、今後の治療について様々な可能性をお話ししました。
そして、命は誰にとっても有限だから、患者さんの立場として望んでいることを率直に先生に伝えて、ベストな方法を一緒に考えることが大事だと伝えました。
患者さんを紹介させて頂く立場で言えるだけのことを言ったので、後は紹介先の先生の判断に任せるしかない。
目力の強い、武士のようなその方にとってベストな選択がされますようにと、祈るような気持ちでした。
そして最後に、「もし分からないことや困ったことがあったら、いつでもここに来ていいからね。頼りにしていいんだよ。気をつけて行ってらっしゃい!」と言って、患者さんご夫婦を笑顔で見送りました。
長いことこの仕事をして来て、別れ際に「行ってらっしゃい」と言って見送ったのは初めて。
紹介先の病院でもきっと良くしてくれるに違いないと、確信に近い思いでいたところ…。
なんと❗️
偶然にも、昨年その病院で早期胃癌を内視鏡で治療して頂いた患者さんが来られました。
カルテをパラパラとめくって、紹介状のお返事を探していたら、こんな嬉しい言葉が❗️
こちらの方が「ありがとうございます」なのに、こんなに心のこもった「ありがとうございます」の言葉を頂いていたのです。
この先生に託した以上、大丈夫‼️
治療者同士のネットワークもまた、念と念というテレパシーのやり取りを通して患者さんを守っていることをリアルに感じて嬉しくなった出来事でした✨
お母ちゃんのブログ書きの背後でゴロリ