【序】より続く。
下見で終わろうがなんだろうが、
まずは憧れの物件に向けてのアクションを開始したことに、大いに昂った。やったるぜ!
つうか、アプローチがここで正しいのかという確信さえもないという心許なさがちと辛いが。
形ばかりの封鎖ロープに掛けられていたのは、
「滑落の危険性がありますので、この先への立ち入りはご遠慮ください」
よくある注意喚起と気にも留めなかったが…このおよそ5時間後、しみじみと再度眺めることになるのだった。まあそれはまた別の話。
数十m進むとすぐに、
上下の分岐が現われた。
この池郷川、沢屋さんたちにはつとに有名な名渓らしく、そっち方面の記事ならばたくさん出てくる(その中の一部で、今回目指す物件が登場するものもある)。そうした人たちは、ここから入渓する感じなのかな。
わたくしまったくの手探り状態なので、まずは上を探ってみた。
すると割とどんどん登っていくのでこれはなんか違うかな?と思ったのと、
遠くの渓流沿いに、いかにもな人工物が見えたので、どうやら下ルートが正解な気がしてそちらに回った。
すると果して、
しっかりした道が続いている。やはりこっちか。
…と安心したのも、一瞬のこと、
道はまた高度を上げ…なんかヤバいもんが見えてきたんだけど。
それは、やる気ゼロに封鎖された、
鉄製桟橋。
こういうものなしでは到底クリアできない地形だからして、もちろんありがたい。
ありがたいんだけども…
ありがたくないもの発見(笑)。
穴、開いとるやーん。
いや、それどころじゃなく、
腐れてるやーん。
なんと、パンチング・メタルの鉄板は腐食してあちこちで抜け、おびただしい大小の穴が開いてるじゃないか。
何が怖いって、細かい落石や落ち葉が堆積して、抜けてる部分が判然としないこと。とてもまともに真ん中を歩く気はしないので、両端のIビーム(鉄骨)の上を歩くのがベターなのだが、山側は堆積物が多いのと岩がオーバーハング気味なところもありでどうにも歩きにくい。
なのでー、
川側のビーム上を歩くのだが、ところどころ手すりが損壊してるので、これまた怖い。池郷の清流は、こんなにも美しいのに(笑)。
のっけから心温まるお出迎えじゃないのさ…。
後半はマシになってきて一安心。
こんなワケわからんものが落ちてて一枚撮った。
このカーブの先で、緊張の桟橋パートはとりあえず終了。
振り返って一枚。
桟橋パートは…70mほどもあったかな?なかったかな?
とりあえずあの状態を見れば、桟橋そのものが全然信頼できない。願わくば、ここだけにしてもらいたいところだが…(フリ
ともあれまずは、
かたい地面の上を歩く安心感を堪能(笑)。
その先にあるのは、
先ほど見えた、道の跡とおぼしき人工物だ。
これに引っ張られて歩いてきたが、依然としてこの道が正解なのかはわからない。まあとりあえずは辿り続けてみるか…。つうか、遠くでこの道、壊れてるようだが…。
その場所に来た。
いつかに写真正面の谷が暴れたのだろう、道とおぼしきコンクリ板が、チョコを割ったように散乱している。
そしてその先、渓が狭まり始めるところ。
石積みの上に、一種独特な場所が待ち受けていた。時刻は6時12分。
【2】に続く。
(テーマ分けは旧道・廃道としておきます)