【9】より続く。
時刻は14時21分、進軍開始から2時間2分。現在地はこのあたり。
探索もほぼ終了、これより帰投作戦へと移行する。
すなわち、このまま林道大野谷線を起点方向へと遡ってゆくだけ。ほんの1km少々でフィナーレを迎えるはずだった。
林道の対岸には、
試験田その他とおぼしき遺構が延びていた。その様子からして、放棄?されたのは、ここ数年のことではなさそうだった。
そしてすぐに現れた、
次なる橋。
潜ってみると、
これも旧橋の上に重ねて補強する形で架けられていた。
石桁だったりするようなサプライズもなし。そうそうウマイ話はないわな(笑)。
そこから数十m、左手に
ログハウスふうの建物があった。
これまでに見てきたものと違い、これは明らかに個人所有の建物っぽいが…こんな立●●止林道の奥に?あるいはさっきの研究所の付属施設なんだろうか?
そのすぐ先に、
研究所から早くも三本目の橋。これは大野谷川本流に架かるものだった。ちなみにここは潜れなさそうだったので下のチェックは割愛。
橋からは、林道は植林された杉木立の中に入ったが、
路面状況を見る限り、使用頻度はかなり低そうだった。
…のだが、思えばこのあたりから「聞こえて」いたような気がするなあ…。
上の写真あたりで、左側を流れる大野谷川には、
立派な堰堤が設けられていた。
銘板をズームしてみると…
昭和45年という記載が。やっぱりこの林道、未成道よりもだいぶ先んじていたようだ。
それにしてもこの銘板、なかなかイイなあ。黄色ってのもまたよし。
思えば二本目の橋からこっち、
アップダウンはありつつも、「ほぼ」ストレートだった。
そのストレートの途中、退避スペースなのか、
大きく取られた路肩があり、
その先に
第四の橋が登場。
支流に架かる橋であり、これもまた
先代橋の上に重ねられていた。
それで、だ。このあたりまで来ると、
もはや聞き逃しようがなかった。
どう聞いても、林道のこの先から、機械音が響いてくる。ほぼ間違いなく小型重機が稼働している音だった。
マジか!?
人が入ってる!?
たしかにこの日は平日だったが、いやいやいやいや…
こんな無為な林道で、今さら何の作業を…って、あっ。
ちょちょちょ、ナニしてんのミスターーーー!!
時刻は14時31分、進軍開始から2時間17分。残り僅か数百mで、まさかの事態発生。
どうやら、いつ発生したものかはわからないが、小規模な土砂崩れを復旧しているところのようだった。こんな道を復旧しているってことは…まさかさっき見てきたあれらの施設は現役だったりするのか!?一気にすべてがあやふやに、心もとなくなってきた。なんなのこの不条理感(笑)。
連載開始時にはあえて書かなかったが、実は未成道の入り口にはしっかりとチェーンが掛かり、「この先立●●止」との表示があった。そこを乗り越えて進入してきている時点でやはり後ろめたく、誰にも出会いたくなかったのは当然のこと。
そしてこのミスター、こちらに背を向けて作業をされていて、わたくしには気づいていなかった。ラッキーといえばそうなんだが、それって逆に…近づいて行った時、すぐ横まで行かないと気づかれない→いきなり現れた不審なおっさんにビックリ→反射的に五割増しでキレられる…というキレイな三段論法が脳内成立してしまい…(笑)。
うーーん、どうしよう。
ミラー越しに気づいてくれないかとの淡い期待で、しばらく道の真ん中に突っ立ってみたりしたものの、ミスターの仕事への集中力ハンパなく、あえなく失敗(笑)。こうなったら、素直に怒られて通り抜けようか…でも絶対驚かせてしまうよなあ…。けど、もう残りわずかで終わりやのに…。
うーーーーーーーん。
・・・。
ハア、ハア…
(笑)。
最終回【11】に続く。