旧・二ノ瀬橋 (廃)【後篇】(京都市左京区鞍馬二ノ瀬町) | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

【前篇】より続く。

 

 

 

つうわけで、2019年3月15日。久々の訪問。まずは現橋から。

おお、いつになくよく見えてる。

まさに、ザッツ・廃橋。この放置具合がありがたいやら、なんとか保全をお願いしたいやらで、複雑な気持ちに。

 

 

 

 

さっそく下へ。

こうして見ると、初訪問時の9年前からずっと印象は変わらないんだけども、

 

 

 

 

よく見れば、

確実に状態は悪化していっている。ゆるやかに、ではあるが。

 

鉄骨を被覆するコンクリートの剥落している部分が、以前よりも増えているように思う。その剥落箇所を見るに、応力のかかる場所から剥がれていっているのかな、と。

 

 

 

考えてみれば、これ

105年前の橋なんよねえ…。

 

 

 

 

そして現橋の親柱から推察するに、この56年ほど(!)は放置され続けているわけで、

見た目以上に死期が迫っているのではないか。 

 

 

 

 

…そんな思いを裏付けるような光景を、この後目にすることになる。

しかし美味しいな、この新旧二橋。

…いや、その古さを考えれば、旧と旧旧って感じだが。そう思えるほどに、現橋もすでに年期入ってる。なにしろ、二橋あわせて161歳(笑)。

 

 

 

 

いや~、本日はお日柄も水かさも良く(笑)、

実に撮影がしやすい!今日来て良かった。

 

満足して撤収…しようとして、最後によく見て…ふと思った。

これ、今日はイケんじゃね?ナニが?って?

 

 

 

まあ見てなされ。

思ったよりも手間取ったが、

 

 

 

 

初めて到達した、

このポジションに!

初訪問時はまだ超初心者だったんでそこまで思いつかず、2回目以降は植生が旺盛すぎて話にならなかったが、この日の植生を見てイケる気がしたのでチャレンジしてみた次第。

 

 

 

ここで、下部構造を至近で確認してみて、

やはりひどい状態であることを再認識した。

 

 

 

 

目前のこことか、

現在進行形で剥離しかかっている。あっ、手を添えてるだけで、わたくしが破壊したんじゃないよ!

 

 

 

 

そして、その直下あたりの鉄骨とか、

こんな状態(汗)。

腐食しきってボロボロ!やはりコンクリによる被覆がなくなると、一気にそこから劣化が昂進するんだろう。

 

このまま朽ち去ってゆくのもそれはそれで美しいが、一方で土木遺産としての貴重さを考えれば、何らかの保存措置を講じてほしいとも思うし。趣味者的には、悩ましいところ。

 

 

 

腐朽の進むトラス下部に対して、

橋床面に接した上部は比較的健全。より曲げモーメントのかかる下部から綻んでゆくのは、まあそうなるだろうな。

 

 

 

 

おおっ、

このアングルもイイねえ。

 

 

 

 

まさに、舐めるように(笑)。

相当に写真を撮りまくった。これでもかなり、枚数は絞っとるんですぞ(笑)。

 

 

皆様にもこの橋はお勧めしたい。御齢105歳・本邦最初期の鉄骨コンクリート橋梁、まともに架かってるうちに、ぜひ拝みに来られたし。…京都市の橋ツアーやったら、参加されたい方、おられます?(笑)

 

 

 

もうほんとに、堪能した。

戻りも気をつけないとな。

 

 

 

以上、完結。