2018年10月28日、悲報転じて北陸遠征最終日・3日目の朝。いくつかの立ち寄りの後、この日のメインターゲットにやってきた。
メインターゲットとはいえ、決して大ネタではない。
それはささやかな
そう、ささやか~な、隧道。場所コチラ。
地図を見ればおわかりのように、あと数百m西進すれば福井県大野市に入る。ここ石徹白(いとしろ)地区は、元は福井県大野郡(現・大野市)に属していたが、昭和の大合併で大部分が岐阜県白鳥町(現・郡上市白鳥町)に越境合併されたという、特異な経歴を持つ土地である。
大野市周辺と郡上市周辺、どっちの隧道・トンネルもひととおりシバいており、唯一シバキ残したこのポツンと離れた隧道だけが長年目の上のタンコブだったのが、この機会でようやく訪問が叶った。そういう意味で「メインターゲット」だったわけである。
北側より正対。
この道路は、岐阜/福井県道127号白山中居神社朝日線。全線通して見るとさほどでもないが、それでもまあまあ険道と言えるかもしれない。
入洞しての振り返り。
波板で巻かれていた。
ちなみにこの隧道、「平成16年度全国道路施設現況調査(国土交通省)」のデータによると平成9年の建造となっているが、そんなわきゃあないだろう、この立地を見れば。どう見ても隧道なしでクリアできるところではない。きっとこのように改修されたのが平成9年ということだろう。その前は、完全素掘りだったのか。
短いながらもなかなかに
水気の多い隧道で。
もちろん、この朝は雨が降っていたんだが、外よりもむしろ洞内の方がビッチョビチョだったり。よく水を通す岩なんだろうか。
南側の、
鉄板の構図。
いやあ、イイねえ、このしっとり感。
抜けて、正対。
両側ともにまともなポータルは備えておらず、扁額はもちろん、銘板の類いもない。
なので、隧道の名称は先述の通称「トンネルリスト」のデータによる。
坑口左には、
このようなホームベース形のくぼみがあり、そこにとっても可愛らしい仏さまが。
なんともいえない、愛らしい表情をしていらっしゃる。サイズ的にも非常に小ぶり。いやあ、こういう仏さまのおられる隧道は大好きだ。
雨上がりの清浄な空気の中、
マイナスイオンたっぷり。最高にすがすがしい朝だった。
すがすがしいといえば、
微妙にピークを外したものの、紅葉も素晴らしかったなあ。
うん、この季節感のなさも拙ブログの真骨頂ね(笑)。
以上、完結。