白浜の謎の穴(千葉県南房総市白浜町白浜) | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

2011年2月20日、第六次房総探索。この日のネタは初めてかな?六回目の探索にして初めて足を踏み入れた、房総半島先端部。そこでも素晴らしい物件がひしめいていたが、その中で出会ったコレは、一体なんだったのか?
 
 
まあ、ご覧ください。場所はコチラ。
 
 
 
まずはコレ、安房白浜トンネル、北側坑口。銘板によると、2009年2月完成。たった今、このトンネルを抜けてきた。コレは振り返っての撮影。
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濡れたアスファルトの色もまた、供用されて間もなさそうな雰囲気を醸し出している。この道の名は安房広域農道、またの名を安房グリーンラインという。
 
事実、(探索時点で)手持ちの県別マップルに記載されていなかった。この近くにある隧道(記事にしました)を見に来たのだが、なんか知らんけどこんな真新しい道に迷いこんでしまった…って、ふつう逆やろ(爆)。
 
 
 
つまりは、想定外でやってきたこの場所。まず目を引くのは、この左手前の法面。
 
 
 
謎の文様?
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これは、大規模海底地すべりの痕跡だそうで、ちょっとした駐車スペースが設けられて、そこにはこんな解説板が。
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まあ詳しくは読んでいないんだけども(笑)、希少なものらしい。まさかこの20日後に、本物の大地震が来るとは…。
 
 
 
で。
 
 
 
 
反対側は、っていうと川が流れていて谷になっているのだけど、そこを見て
 
 
 
 
え?
 
 
 
 
 
 
 
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ナニあれえぇぇ!!??
 
穴。間違いない。だが、圧倒的に小さい。そしてある意味それ以上に特筆すべきはその手前。アレは…片洞門に見えるが…いや、正確に言えば、足元の岩が立ちあがって、側壁のようになっている部分がある。まるで…なんというか…
 
隧道の斜め上をカットして中が見えるようにしました、的な。あるいは、昔よくやってる人いたけど、ビンの中に作らせた蟻の巣のような。
 
なんとも言えない感覚。
 
 
そしてこの立地だ。たまたま新しい道路ができたから目につきやすい位置になってしまったが、本来は完全な山の中。旧道…でもないけど元々あった林道(本来自分が隧道を見に来た道だ)は、谷の対岸を通っており、それとも無関係くさい。
 
穴のサイズからして仮説はすぐに浮かんだのだが、とにかくまずは現調だ!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
というわけで、一気にワープ、穴を抜けて振り返ったのがコチラ。ちなみに左に写ってるコンクリ部分は、グリーンラインの法面。先ほどはあそこから見ていたわけで。
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小さいな。サイズ的には完全に人道サイズ。
 
 
 
 
こんな感じ。コレは荷車も無理ですな~。幅員は1mあるかないか、くらいか。高さはしゃがんで撮ってもこんな高さだが、洞内には鑿跡とおぼしき痕跡が残り、人の手によって開鑿されたことが窺える。
穴(隧道?)部分はわずか8~9mくらいだろうか?左へ直角に曲がって抜ける、得も言われぬ線形がいとをかし。ある意味洞門のような作りだ。
 
 
 
 
道(?)は、抜けるとすかさず右へ。すると目に入るのが、問題のコレ。片洞門…
なのかコレ!?
足元に立ちあがった岩が実に謎。コレやっぱ、昔は左側にも側壁があったように、つまり…隧道であったようにも見えないか?
 
 
 
道(?)はこの短い片洞門(??)を過ぎてまた左へ直角ターン、そして…グリーンライン法面に飲みこまれている。謎。謎。こないだから謎ネタ多いな(笑)。
 
 
なんでか知らんが、このクソタワケ(=わたくし)、こんだけしか撮影してなかったのだ。なぜ?なぜなの自分?
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
この穴、果たしてなんなのか?思いついた仮説というのは、ヒネリも何もないものではあるが。例えばこんな穴。
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もうとにかく、いたるところに穴だらけの房総にあって、珍しくもないのがこの手の水路隧道。田畑に水を引くためのもので、横幅二尺、高さ五尺(およそ 60 センチ × 150 センチ)程度のものが多く、俗に「二五の穴」と言われている…と、以前DAiNさんのブログで知った(笑)。これを見れば、我が仮説は一目瞭然。ココの穴も、かつての「二五の穴」ではないか、と。
 
 
疑問なのは、川の流れよりもだいぶ上に位置し、水の流れも潤すべき田畑も見当たらないことだが、何しろココは房総。江戸時代以前の近世から民衆の手で隧道が掘削されていた「穴の国」であるからして、長年の間に地形が変わってしまっていても不思議ではないと思う。
 
 
 
 
あの「なんちゃって片洞門」のことはまったくわからないけどな~。
 
 
 
 
 
 
 
以上、完結。