【前篇】より続く。
実在した「ナゾの穴」、その東側…坑口?
さあ、「ナゾ穴」よ…
その姿を見せるがいい!
…と、リキんだ演出(笑)でこの後篇につないだが、わたくしは冒頭から残念なお知らせをせねばならない。
うーーーーん、
残★念!!
…っていう感覚も、隧道愛好者でないと共感できないかと存じますが(笑)。
そこにあったのは味気ないボックスカルバートのトンネル。それはつまり、年代的には極めて新しい、歴史的価値のないものであることを意味していた。しかし、なんか洞内が暗いな…。
ちなみにボックスカルバートとは、あらかじめ四角形に成型した箱型構造物。道路トンネルに用いる場合は開削した地面にこれを設置して上から土を被せる、いわゆる開削工法で施工される。つまり、いわゆる昔ながらのトンネルのように、「掘り抜かれた」ものではない、ということ。
規模の大小はあれど、こういう四角いトンネルや通路、皆様もよく目にされるかと思う。が、土被りがほぼ皆無に見えるこの状態では、「トンネル」と呼ぶことさえ憚られる。そう、コレ…通路か?
正直、ガッカリはした。けど、過程は楽しめたし、「ナゾの穴」としては依然正体不明のまま。まぁせっかくやし…
接近して観察。
手前のコンクリート擁壁も、いかにも近代のもの。見るべきものはない。
が、トンネル(…としておこう)の右側にはわずかながら石積みっぽい形跡もある。うーん、どうもよくわからん。
とりあえず、進入…
してみて、ちょっとだけ驚いた…ってか、のぞきこんだ時からわかってたけど(笑)。
なんと曲がってるじゃないの。どおりで遠目で見た時に暗かったわけだ。ボックスカルバート特有の無機質な洞内、照明の類いはもちろんない。四輪だと車種を選ぶ幅員であり、ここまで歩いてきた道々にも轍はなかった。
が…
こうして振り返ってみると、洞床にはまぎれもないダブルトラックが。
いつのものかはわからんが。
抜けた先は…
コンクリ擁壁は少し残念なものの、それなりの雰囲気。
やっぱ作業道っぽいなぁ…。
そして、コンクリ擁壁が切れたすぐ先で、
道は死んでいた。
地図によれば、このもう少し先で山は開け、上棚の集落方向へと続いている(いた?)はず。が、その部分は完全に廃道化していた。先ほどのダブトラはいつ頃のものなのか…?
改めて、
ナゾのトンネル、西側より。
コッチから見ても、土被りはほぼ無し。うーん、やっぱこりゃ、「ナゾ穴」ですな…。すぐ右上には、こちらもこの位置まで降りてきた現車道。
推測としては、この道は現在の車道ができる以前からある里道あるいは作業道で、かつては隧道もない小規模な切り通し、あるいは単なる谷筋の道だったのではないかと。
現車道の工事が行われた際にこの道は寸断され、新たにつけられた(前篇前半のような)無理やりな作業道と接続された。同時に、新道工事にともない、この場所に何らかの必要性が生じたことから、このような簡易なシェッドがわりのボックスカルバートが設置された…あるいは新道開削のズリ(土砂)を捨てた結果この道を埋める形になり、道を守るために設置された…とか?
まぁ、すべては憶測。とにかくナゾな、「ナゾ穴」ってことにしておこう。それが拙ブログらしい(笑)。
で、このような竜頭蛇尾ネタではありますが、動画を録ってみたのであります。
お蔵入りも悲しいので(笑)、どうぞ。西側から。
最後に、コレ。車道へ復帰するその場所だが、
尋常でない斜度が伝わるだろうか。
この無理やりな激坂を下った谷底の謎穴。もしネット初ならば、それはそれで小ネタとしては上出来でしょう…と自画自賛(笑)。
以上、完結。