【前篇】より続く。
あっけない終わり。
なんのエクスキューズもなく、県道は終わっていた。
あらかじめ地図で見てわかっていたこの状況だが、これぞザ・未成道。いわゆる分断県道ってやつだ。この道が古座川町に向けて造られ始めた時期、そして工事が止まった時期がいつごろなのか、ざっと調べた限りではわからなかった。
行き止まりの先へと少し分け入ってみたが、雨中の藪は激しく気が進まなかったので、すぐさま撤退(笑)。なんであれ、目を惹くものは見当たらなかった。
端点からの振り返り。
廃道とはまた違う、哀しい美しさ。
未成道の哀しさ、それは道路の本懐である「ここではない場所へと移動する」ことを遂げられていない無念からくるものだろうか。
つうわけで、未成区間は以上なのだが、併せてご紹介しておきたい道があるので、今しばし。
ここで改めて、地図を貼っておく。
次の写真の場所を示しているが、このあたりの全体も把握できるかと。
はい、改めて、
【前篇】でも出したこの場所へ。
上の地図をよく見ていただきたい。この左へと登る分岐、この道が、県道色である黄色に着色されている。これが、先ほどの未成区間着工前からの県道なのだろう。
坂を登ったところで、振り返りぎみに県道起点方向を望む。

このいかにもな急坂は、近年に付けられた道っぽい。
対して、畑と民家の間をゆくこの細道、これこそが本来の県道(県道であった時期があるかどうかはさておき)だったと思われる。
で、再度さっきの地図をご確認いただきたいのだが、県道はこの場所から点線道表記となり、蛇行する佐本川とのランデブーへと向かっていくように描かれている。
その実際の景が、コチラ。
地図は正確だった(笑)。
コレは、軽でも無理でしょ間違いなく。いや…ジモティのジジイ(敬称)なら行くかもな…(笑)。もちろんこれでも、れっきとした県道なんである。
傍らには、

「古座街道」の看板。
やはりこの道は、古くから人や荷が行き来した道だったのだろう。
佐本深谷の集落山手を登っていく県道。
右手遠くに、未成道の新屋平橋が見えている。
あの未成道路が完成することは、果たしてあるのだろうか。現地を見る限りでは、その可能性は限りなく低そうだった。
もともとは、この分断区間をダホンちゃんで走破してみたいな~とか考えていた。だがここに来るまでに(例によって)たび重なる脱線で遅くなってしまったのと、この天候じゃ無理ということで、ここで引き返した。調べて見ると、吊り橋もあるようなので、いつかは攻めてみる所存。
新旧の道の絡みと、夢半ばの道と。
こうして見ると、不通区間の県道幅員のままで、正面の道へとつながっている。分断県道ではあるが、それはあくまで「車道はつながっていない」ということで、道としては一続きの歴史が詰まっているんだろうな…。
小ネタではあるけど、こういうの好き(笑)。
以上、完結。