和歌山県道224号佐本深谷三尾川線の未成道 【後篇】 (和歌山県西牟婁郡すさみ町佐本深谷) | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

 
【前篇】より続く。
 
 
 
あっけない終わり。
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なんのエクスキューズもなく、県道は終わっていた。
 
あらかじめ地図で見てわかっていたこの状況だが、これぞザ・未成道。いわゆる分断県道ってやつだ。この道が古座川町に向けて造られ始めた時期、そして工事が止まった時期がいつごろなのか、ざっと調べた限りではわからなかった。
 
行き止まりの先へと少し分け入ってみたが、雨中の藪は激しく気が進まなかったので、すぐさま撤退(笑)。なんであれ、目を惹くものは見当たらなかった。
 
 
 
 
端点からの振り返り。
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廃道とはまた違う、哀しい美しさ。
 
未成道の哀しさ、それは道路の本懐である「ここではない場所へと移動する」ことを遂げられていない無念からくるものだろうか。
 
 
つうわけで、未成区間は以上なのだが、併せてご紹介しておきたい道があるので、今しばし。
 
 
ここで改めて、地図を貼っておく。
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次の写真の場所を示しているが、このあたりの全体も把握できるかと。
 
 
 
 
はい、改めて、
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【前篇】でも出したこの場所へ。
 
上の地図をよく見ていただきたい。この左へと登る分岐、この道が、県道色である黄色に着色されている。これが、先ほどの未成区間着工前からの県道なのだろう。
 
 
坂を登ったところで、振り返りぎみに県道起点方向を望む。
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このいかにもな急坂は、近年に付けられた道っぽい。
 
対して、畑と民家の間をゆくこの細道、これこそが本来の県道(県道であった時期があるかどうかはさておき)だったと思われる。
 
 
で、再度さっきの地図をご確認いただきたいのだが、県道はこの場所から点線道表記となり、蛇行する佐本川とのランデブーへと向かっていくように描かれている。
 
 
 
その実際の景が、コチラ。
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地図は正確だった(笑)。
 
コレは、軽でも無理でしょ間違いなく。いや…ジモティのジジイ(敬称)なら行くかもな…(笑)。もちろんこれでも、れっきとした県道なんである。
 
 
 
 
傍らには、
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「古座街道」の看板。
 
やはりこの道は、古くから人や荷が行き来した道だったのだろう。
 
 
 
佐本深谷の集落山手を登っていく県道。
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右手遠くに、未成道の新屋平橋が見えている。
 
あの未成道路が完成することは、果たしてあるのだろうか。現地を見る限りでは、その可能性は限りなく低そうだった。
 
 
もともとは、この分断区間をダホンちゃんで走破してみたいな~とか考えていた。だがここに来るまでに(例によって)たび重なる脱線で遅くなってしまったのと、この天候じゃ無理ということで、ここで引き返した。調べて見ると、吊り橋もあるようなので、いつかは攻めてみる所存。
 
 
 
新旧の道の絡みと、夢半ばの道と。
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こうして見ると、不通区間の県道幅員のままで、正面の道へとつながっている。分断県道ではあるが、それはあくまで「車道はつながっていない」ということで、道としては一続きの歴史が詰まっているんだろうな…。
 
 
小ネタではあるけど、こういうの好き(笑)。
 
 
 
 
以上、完結。