【前篇】より続く。
ズッキーーーーン。っとね。
そこにあったのは、「県道竹生島線起点」と刻まれた石標だった!
ちなみに裏面には「滋賀県」と刻まれていた。
そして側面には
「びわ村大字早崎一六六六番地先」とある。
びわ村が存在していたのは1956(昭和31)年9月~1971(昭和46)年3月なので、この間に県道指定された、ということなのだろうか。
ちなみにびわ村、1971年4月より町制施行でびわ町となり、現在では長浜市の一部となっている。
琵琶湖中の小島・竹生島に間違いなく県道が存在する、その確固たる証拠が存在したことで大いに満足。
なんやけど…一寸待って頂戴な。
地理院地図では、船着き場から見上げていた桟橋を含む区間に県道色が付けられていた。にもかかわらず、この起点標の位置はそれよりだいぶ手前となる。んん~?
すなわち、整理すると、
こういうこと。
地理院地図が正しいのか、あるいは実在する起点標から県道は始まっているのか?
だが実際のとこ、そう単純なハナシじゃあないのだ。
ウィキ先生によると、滋賀県道319号竹生島線は「(前略)竹生島にある0.1kmの一般県道である。」と記載されている。
が、0.1kmすなわち100mとなると、地理院地図の区間だとすればそんなにないし、起点標から測ると100mじゃきかないんである。
さらにウィキ先生曰く「全区間が屋根に覆われているという珍しい路線である。」とのことだが、
確かに起点標(ポストの左ですよ、念のため)から始まる道は、屋根に覆われている。だが、奥に見える「地理院地図での県道区間」には屋根なんぞない。なんじゃあそりゃあ!?
一体ホントはどっからどこまでが県道なのよ!?
まあ真実はわからないので、本記事では「起点標から桟橋の終わりまで」を県道として扱うこととする。
こうして見ると
ほぼ存在のわからない起点標(右下)を右に見て、順路へ。
うーん、屋根付き県道。
ここ竹生島は宝厳寺と都久夫須麻神社(=竹生島神社)という神仏のおわすところ。すなわち島内の道というのは、それらへの参拝路として築かれたものである。県道指定も、これら社寺と無関係ではないのでは、と推察される。
ちなみに、それぞれの社寺関係者の方々がいらっしゃるのと。それ以外にもみやげ物屋兼軽食屋さんが2軒並んでいる。が、定住者はゼロ。つまり、無人島である。
屋根の下を進んだ先に現れるのは、
拝観券発売所。
先述のようにふたつの社寺をいただく竹生島、これより奥(上)へは拝観料が必要になる。大人400円、子ども300円ナリ。
つまりだ。
この県道は、有料道路でもある、ということ。
拝観券発売所から、いきなり始まる階段。
そう、階段県道ですよ諸君!え?クドイ?(笑)
少し登ったところの鳥居手前を
右へとターンするのが県道ルート。
看板見たって、
県道云々なんて書かれているわけもなし(笑)。
そして、そのすぐ先で
「あの桟橋」が待っている。
コレが「県道の橋」だと思うと、見る目は変わってくる。最初来た時は特に面白くもない、と気にしなかったのに(笑)。
ちなみに橋のどこを探しても、いかなる情報も得られなかった。
橋上からの眺め。
絶景の県道ですなあ(笑)。
渡り切って振り返り。
地理院地図によると、今いる場所、すなわち桟橋を渡り切って少し進んだあたりまでが県道とされていた。まあ正確性はアヤシイが、何にせよ県道指定は神社までは至っていないのは確か。
そう、この背後方向に進んでいくと、都久夫須麻神社本殿に至る。
最後に、観音堂唐門前から見下ろした景。
起点標(場所、わかりますよね?)から桟橋まで、「県道」の全貌が見て取れる。
くどいんだが、整理しておこう。この県道、こんな短いのに
・自動車交通不能県道
・屋根付き県道
・有料県道
・階段県道
・淡水湖の小島に所在
そして極め付きが…
・無人島県道!
堂々たる六冠!なんて道だ!!
琵琶湖上に浮かぶ小島に存在するささやかな県道、「滋賀県道319号竹生島線」。それはまるで拙ブログのためにあるような、ネタ満載の道だった(笑)。
以上、完結。