逢坂山トンネル (京阪京津線 大谷~上栄町) | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

 
本日は、「鉄道トンネル」書庫ネタ。前回同様、我がホーム・滋賀県のマイナー物件をご紹介。それは
 
 
 
「あ、聞いたことある」って物件の、「いや、それじゃなくて、それのマイナーなほうなのよね」っていう感じのやつ(大謎)。
 
 
 
 
その名は、逢坂山(おおさかやま)トンネル。
 
 
 
 
はい、言うまでもなく、「土木学会選近代土木遺産Aランク、鉄道記念物」物件とも、「土木学会選近代土木遺産Bランク、選奨土木遺産」物件とも違うやつですよ(笑)。
 
これらの全国区級超メジャー物件「じゃないほう」が、程近くに存在していることは、ほとんど知られていない。…案外面白いのに。
 
 
 
 
そんな日陰の存在、京阪京津線の「逢坂山トンネル」を、ぜひ知っていただきたい!
訪ねたのは2009年8月30日。また古いネタですが~。
 
 
 
場所はコチラ。
 
 
 
 
 
まずは、西側(大谷側)をご覧あれ。
 
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なかなか面白くないですか、コレ。
 
直上を道路(旧東海道)が通っているため、見ようによってはアーチ橋みたいに見えてしまう。その断面は。超扁平欠円アーチ…というのも憚られるほどに扁平(笑)。
いやコレ、ボックスカルバートなんでしょ?と思われるだろうが、れっきとした山岳トンネルなのである。
 
 
 
 
そして気づかれるだろう、
 
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非常に装飾的であることに。
 
アーチ環、要石、ピラスター(付け柱)を模した意匠が、さりげなく…というレベルを超えて施されている。極めて興味深い。
 
このトンネル、実は明治44年の完成なのである。
 
 
だが、この姿が竣工時のままかといえば、おそらく違うだろう。コンクリートトンネルが作られ始めたのは、大正に入ってからのはずなので、おそらくこの姿は昭和7年、国道1号線との併用軌道から専用軌道へと改良する工事が行われた際に改築されたのでは…?と、想像です、すべて(笑)。
 
 
 
 
 


それでは、今度は反対側を…の前に。
 
 
 
 
せっかくだから紹介しておきたいのが、トンネルから西にほど近い、大谷駅。
 
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この駅、ある大きな特徴があるのだが、おわかりだろうか?
 
 
 
 
 
それは、コチラ。
 
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尋常でない勾配。
 
この駅は、30パーミル(1000mで30m登る)という、通常の鉄道としては相当な急勾配上に設置されている。えー、注目ポイントは、ベンチの足の長さの違いね(笑)。
 
 
 
ちなみに、
 
 
 
この京阪京津線内の最急勾配は、実に
66,7パーミル。
 
 
くっそオモロイですやん。
 
 
 
 
 
 
 
はい、改めて。
 
 
 
 
続いて東側(上栄町側)を見てみよう。
 
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ここはけっこうアングルが限られるので、こんな写真に。

こちら側も直上に国道1号線が走っているので、これまたボックスカルバートみたいに見える。山岳トンネルなのに両側とも道に踏んづけられてるこういうパターン、けっこう珍しいかも。
 
 
 
 
角度変えると…
 
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おお、見通せた!
 
ちなみにこのトンネルの延長は、約250mある。
 
 
 
 
 


そしてこの東側では、トンネル以上の注目ポイントがある。それがこの
 
 
R40の急曲線!
 
ナローゲージでもないのに(軌間は1435mm)あり得ない激カーブ。
 
 
 
 
 
 
電車が通ると、
 
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こんなん。
 
 
 
 
イヤイヤ、この感じってさあ。
 
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鉄道模型見るヤツですやん!!
どやさーー!!
 
 
 
 
 
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クローズアップしても
 
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曲線のキツさが感じられる。
 
 
 
 
 
 
なんか、トンネル記事のはずが…(笑)。
 
 
 
 
 
 
以上、完結。