2010年11月20日、五條市からスタートした奈良県徘徊。その中で訪ねた物件。この日のネタは「ほぼ」初めて、かな。
タメもなく、西側より。
なんてことない、短いコンクリトンネル。
場所はコチラ。
桜で有名な吉野山にあるこの隧道、お名前は
「参陵隧道」。
この立地で「参陵」とくれば、当然それは後醍醐天皇陵のこと。それもそのはず、この隧道は皇紀2600年にあたる1941(昭和16)年に、「皇紀2600年記念事業」のひとつとして建造されたもの。
「皇紀2600年記念事業」については…各自調べてください(大爆)。
で、この隧道には、なかなか他では見ない看板がある。
最初の写真にも写ってたけど、
こんなのが掲示されてる隧道なんて、ここしか見たことないかも?
古い隧道だから、当然狭い。休日、特に桜の時期ともなると多くの車や観光バスの行き交うこの吉野山では完全なアンダースペック、ボトルネックとなっている…らしい。
そう、
この隧道、観光バスを通しているのであります。凄いね。
見たかったなあ…。
隧道は、
総コンクリートブロック造り。
驚いたことに、バスが削った痕跡もない。各社、相当な手練しか吉野山へは乗り入れないのだろうか(笑)。
ボトルネック状態を解消すべく、この隧道には改修計画があるようだ。
この記事を書くにあたり、「名勝吉野山にふさわしいトンネル計画を目指して」なる答申書?を参考にしたが、その中でこの隧道の土木的価値は低いとされており(「隧道自体の価値を文化財、土木遺産、近代化遺産、施工技術の観点で評価したところ、隧道の材料や工法等は当時の標準的なものであり規模も小さく、意匠的にも特筆するものは小さいと判断できる」・同資料より)、いざ計画が進めば、ガッツリと改造されてしまうのは間違いなさそう。
うーん、その道の専門家がそう判断するならそうなのでしょう(笑)。
計画が最終的にどういう形になろうが、この隧道の余命はあまり長くはなさそうだ。
まあ確かにわざわざ見に行くほどの物件でもないかとは思うけど(笑)、訪ねるならお早めに~。
以上、完結。