【隧道篇】より続く。
前回最後の写真、
断崖絶壁林道の、爽やかな一枚。
この隧道が目的地だったわたくしは、ここで引き返す。あの先のカーブ付近が、わたくしの最奥到達点ということになる。
そこからの、
白川又隧道遠景。
撤収。
なんだけども、なんだか立ち去り難く、うだうだしていた。今日は三日間にわたる紀伊半島彷徨の最終日、基本的にあとは帰るだけなので、時間、気持ちともに余裕があったからな~。
吹き抜ける風は心地よく、おまけに
岩のあちこちから水が滴り落ちる洞内は、至高の気持ち良さ。今ならもっと最高やろうな~。
で、ふと思いつきでやってみた。
水汲み(笑)。
いや、手ですくって飲んでみたらめっちゃ美味かったので、コレはいいわ、と。山に沁み込んだ水が岩で濾過されて落ちてくるんだから、そりゃあ美味いでしょうよ!と独りで盛り上がってしまい・・・現場の雰囲気で必要以上に盛り上がるっていう、あるある(笑)。
てなわけで、ちょうど往路でカラにしたペットボトルを持ち合わせていたので、落下点に置いてみたのだが、蛇口みたいに一つのポイントに安定して落ちてくるわけもなく、案外うまく溜まらない。
むむ・・・
ならば!
ダイレクト貯留方式を採用(爆)。
安定感が違う(笑)。
それでも500のペットを満タンにするには、それなりに時間がかかった。ヒマだったので・・・
動画を撮ってみた(笑)。
音量デカめで視聴いただくと、水音がして雰囲気と清涼感が出るかと。ペットを持ちながらなので、けっこう不自由な体勢で撮っております。いや~、阿呆ですな我ながら。
堪能した。そして・・・
こう見えても、往路のあの「小さな黒い影」を完全に忘れることはなかった。漠然とした不安。ここにいる間も、隧道前後に目配りは怠らなかった。目的を達した今、あとは安全に戻ることを考えないと。
最後に、記念撮影。
いや、イイ思い出になった(笑)。
さようなら、白川又隧道。もう来ることもないだろう・・・と、思ってたけど・・・
隧道に滞在すること39分。
8時28分、これより帰投作戦に移行する。
復路こそはダホンちゃんの本領発揮!気持ちよくさくっと下っていけるはずだ。
ただし・・・
油断したら、死ぬ。
ましてやチャリはフランク永井 ブランクの長いわたくし、ブレーキを握りしめて慎重に下って行った。
のだが・・・
8時41分。
殺っちまった。
どうしたって下りはスピードが乗ってくる。コーナーは慎重に行くわけだが、見通しのイイ場所ではつい油断してしまい・・・。
細かい落石を避けた先にちょっとした(だが決定的な)段差があり、前輪は何とか浮かしたものの後輪を激しくヒットしてしまった、後日修理に行った自転車屋で怒られるくらいの。即死だった。
コレは凹んだ。石を踏んだとかじゃなく、完全に乗り手のエラー。わたくしのせい。うあああ~ダホンちゃんごめんよ~・・・。
かくしてまさかの、復路も押し。でも幸い、すでにかなり下ってきていた。
8時49分。
ゲートまで戻ってきた。
ここを抜けて、ようやくホッと一息。例の黒い影は結局なんだかわからなかったのだが、この復路ではニ匹の猿を見かけた。もしかすると、往路のあの影も、猿だったのかもしれない。
・・・知らんけど。
かくして、
予定外の29分間の「押し」を含めても、復路所要時間は42分。往路の半分だった。
9時10分。
ノートさん、無事(・・・か?)戻ったよ!
この白川又の隧道、ご紹介したようなロケーションだけに、そのレポートは極端に少ない。現在に至るまで、我が穴の師匠・よとと隊長のものしかないんじゃ?もちろん、わたくしもこのレポでここを知った。
白川又とググれば、ヒットするのはほとんどが沢屋さんの遡行レポ。そっち方面ではかなりメジャーなところらしい。
・・・とか、すっかり「征服した者の目線」で記事を書き始めた数日前・・・。
とんでもないモノを見つけて、目を疑った。
今回の隧道の場所、もう一度地図を貼りますよ。
よーく見てください。
今回制覇した隧道の、さらに遥か奥・・・。
うっそーーーん。
コレ、このゼンリン地図の、ある範囲の縮尺でだけ現れるんですよ。他のいかなる地図でもこの隧道表記は見つけることができないんですから。そう、あの地理院地図でさえも。
でもねえ。地理院地図を見ると、どうも隧道ありげな地形ではあるのよね・・・。少なくとも、アソコみたいに橋と間違えてんじゃなさそうな・・・。
当然ネットで調べてみたが、全く手掛かりはつかめなかった。先述のように、沢屋さんのレポばかりで。
・・・間違いであってほしい。でないと・・・いや、確かめるには、
また行かなあきませんやんか~、しかももっともっと奥地まで(泣)。
こらナンギな話ですわ、ホンマに。・・・楽しいけど(笑)。
以上、完結。