パリには行かないので 「 On Your Mark 」 | リベラの「毎日、寄り道」

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 T64・膝下義足の男子100mの決勝。私はこれを観るために神戸にやって来たと言っても過言ではありません。いえ、これを観るためにやって来たのです。

 

 

 TOKYO大会のメダリスト4人をこの目で見られるのものだと楽しみにしていましたが、いざ予選を観てみたら、お一人しかエントリーしていませんでした。落ち込みも驚きもありましたが、大型スクリーンに映し出されたスタートラインに並ぶ義足の美しさと「 On Your Mark 」の緊張感、これで気持ちが一気に切り替わりました。競技そのものを楽しむのだ!と。世間用語で言う“推し競技”なのだと。

 

 朝から沢山の競技を楽しんで、発見もあって、とにかく忙しかった一日の最後に組まれた決勝。 “最速の男を決める” 男子100mという競技はやはり陸上の花形かと思います。トリにふさわしい競技です。

 このレースの直前に、脳性まひの女子と機能障害(義足なし)の男子の100mがあり、会場には良い緊張感が漂っていました。

 

 いよいよ膝下義足の男子100mです。一人一人選手が紹介されました。大型スクリーンで見る顔・顔・顔。「あー、なんてかっこいいの…みんな」と、うっとりしていたら聞こえて来たのが「 On Your Mark 」でした。

 

 予想通りの結果でした。パリでは今回エントリーしなかった3人が出場するか否かで、レース展開は変わる筈です。今やこのクラスのメダリストは10秒台で走るのが普通です。もうそこまで来ています。
 

 

 これでこの日の競技は終了。この大会の私の観戦も終了。陸上競技の観戦は忙しい!と言うことを学び、押しの競技だの選手だの、イケメンだの美人だの髪型もステキだの、嬉しいだの楽しいだの切ないだの色々。是非とも観たかった膝下義足の男子100mを生で観られて幸せ。そして生で聞いてゾクゾクした「 On Your Mark 」最高でした。

 

 「56分に乗るね」神戸在住の友人に連絡を入れました。三宮へ戻る地下鉄は3往復目の復路です。もう少し、旅は続きます。