パリには行かないので 切ない… | リベラの「毎日、寄り道」

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 世界パラ陸上in神戸、20(月)夜の部の続きです。ちゃんと眼鏡をかけて書いております。

 

 午前とは別のクラスの男子400m車いすの予選を2レース見終えたら、遠くで様々なクラスの200mの予選やら決勝やらが始まるようでした。下のお写真でお分かりいただけるとありがたいです。

 

 

 前日から競技を生で観戦していてとっても気に入ってしまったのが「 On your mark 」。冷静な低い声、あんなにゾクゾクするものだとは知りませんでした。

 

 男子200m脳性まひのクラスの決勝でのことです。「 On your mark 」が聞こえたかと、次の瞬間、フライングを意味するピストル音が聞こえました。見ての通り、観客も少ないスタジアムではありますが、それでも会場中に緊張が走り、静かになりました。

 どの選手がフライングしたのか調べていたようですが、どうやらそれっぽい選手が大型スクリーンに映し出されていました。その選手は今にも泣きそうな表情をしていました。もしかしたら自覚があったのかもしれません。

 スタート時の様子が映し出されました。「 On your mark 」に合わせ、どの選手もスタートしやすい姿勢を作り出していました。脳性麻痺という特性上、一人として同じ姿勢ではありません。全員の準備が整い合図のピストル音を待つ僅かな時間、ある選手が姿勢を崩し、フラフラっと動いてしまいました。それがフライングへと繋がってしまったのです。やはりその選手でした。

 

 他の選手の準備が整うのを待っている間、ピストル音を待っている間、ちゃんと真面目にスタンバイしていたにも関わらず、脳性麻痺と言う特性もあって、フラッとしてしまっただけなのに。

 

 その競技が終わってから、フライングとなってしまった選手はボランティアさんに誘導され、会場を去って行きました。オペラグラスならぬ双眼鏡を持っていたので、見えなくなるまで見守らせていただきました。悲しそう…と言うより無表情、ボツワナの選手でした。

 

 アフリカ大陸の南部に位置するボツワナからはるばる日本にやってきてくれたのに無念すぎる結果となってしまいました。どうかパリのパラリンピックにも出場して欲しいです。がっつり応援します。