専業主婦の私が少し大人になった話
沈んだ気持ちがこんなに重いとは…心に墨汁の染みが広がるような感覚の中で、助けてもらわないと危険だ…と感じていました。何もする気にならない心のだるさゆえに、少し先の未来のことすら考えることが億劫で、ひたすらテレビの前のソファに座り続けてしまう。脳が退化するのではという恐怖。それよりも、全てがどうでもいいような気がする堕落。原因は何?自問自答を頭の中で繰り返してきたのだけれど、答えが出るような出ないような、そしてまた、どうでもよくなってしまうような…2時間を超える長電話に付き合ってくれた友人が暗い沼からいとも簡単に私を引き上げてくれました。順風満帆と言っていいほど恵まれた環境で、ぬくぬくと専業主婦をしていた私の憂鬱は、彼女に「大人になったんだよ」と笑い飛ばされました。自分の言葉に絶対の自信を抱けなくなったこと、強すぎる正義感が人を傷つけることがあると知ったこと、自分の常識を主張した後で罪悪感を持ってしまうこと、それらは全て、社会に揉まれながら闘い続ける者にとっては、日常茶飯事だったのです。「今までがちょっとボケてたんじゃない?」そう言われて爆笑しました。心に立ち込めていた霧が一瞬ではれていく感覚。我が子が成人になったこの年齢で、私は少し大人になったのです。人の心は目に見えないけれど複雑で、扱いに困る時がありますが、悩み、考え、話し、聞くことで、さらに成長するようにできているのかもしれません。けいちゃん、ありがとう。