子ども・子育て新システムの基本制度案要綱を考える

- 知恵遅れの子を持つママのつぶやきから -


「子ども・子育て新システムの基本制度案要綱を読んで」改め「子ども・子育て新システムの基本制度案要綱を考える」にしました。引き続き、独断と偏見で書かせてもらっています。ご批判は、ご自由に。


新聞を読んでいたママが「保育園(事業者)と親が直接契約になったら、障害児は受け入れてもらえなくなる」と言いました。聞いた瞬間は『障害児こそ子育て支援が必要、そんなことはないだろう』と思ったけど、そういうこともあり得ると考え直しました。


その家庭(子)にとって保育が必要かどうか、「子・子新システム」では市町村に客観的な基準に基づいて必要な子どもにサービス・給付を保障する責務を持たせるとしています。この責務は通常「責任と義務」と解されますが、どうも怪しい臭いがします。


事業者は効率的な運営を目指しますから、自然と手のかかる子は遠慮する(入園させたくない)意識が働いてしまうことになります。発達が送れてかつ必要度が高いにもかかわらず、「もう定員いっぱいで無理です」とか「空きを待ってもらっている状況なので、他の園をあたってください」、「もっと必要度の高い子がいて、その子を受け入れないと駄目なので」等なんやかんやと理由をつけられて断られる事態が容易に想定されます。


こういうときに、市町村がどれほど事業者を指導できるのか、たとえ法律で責務を明記したとしても実効性には大いに疑問符が付きます。先にも書いたとおり、定員めいっぱいの状態の園に無理に押し込むことは無理でしょう。そうすると、遠くの園を紹介する(紹介するかどうかも疑問)としても、通園が可能かどうかが問題となります。法律に書かれている責務を果たした(空いている入園可能な園を紹介した)として、後は親の問題として放置されかねません。そして、遠くの園に通わせながらママが働くことができないと、仕事を断念する事態となってしまいます。


もちろん、子育てに熱心な自治体では、いろいろな知恵を出して入園にこぎつけることできると思いますが、国の縛りがゆるくなるシステムに見受けられますから、様々な問題が噴出しそうです。


まだまだ書きたいことがあるので、続くはず

子ども・子育て新システムの基本制度案要綱を読んで 補論


本来のテーマである『「子ども・子育て新システムの基本制度案要綱」を読んで』からは、ちょっと脱線しますが、ずーっと頭の片隅にあった「保育の質」の問題について、引き続き独断と偏見で書いていみます。


保育園の民営化については、20年以上前から言われていたように思います。当時(今もかな)、私が見聞した範囲では、大きくふたつの理由で反対の意見があったように記憶しています。ふたつとも極論的な要素はあったものの、なるほどと思うものでした。


ひとつは、保育園が民営化されると営利が目的となり、当然に保育料が上がる、受けたいサービスには基本保育料とは別に料金を支払う必要が生じる、そのため、アレルギーのある子は特別食代が必要、延長保育を希望せざるを得ない家庭では経済的理由で保育園に預けることができなくなる。あり得る話しだと思いました。


もうひとつが保育の質が低下するということでした。公立の場合、決められた園児と保母の割合が守られ、障害児を預かる等で必要なときは過定員を配置してもらうことができる。さらに、公立保育園の保母(当時)は、身分が保障され、年功序列で給与が上がり(今は違いますが)生活が安定している。したがって、保育に専念できる環境にある。

一方、民間の保育園は利益優先のため、必要な保母の数が確保される保障がなく、身分も不安定で、賃金も経営状態に左右されやすく、若いうちは情熱で頑張れても年月が経つうちに情熱も薄れ、燃え尽きて職場を去ってしまう。そのため、ベテラン保母が居なくなり、経験と知識の継承がおこなわれない。

以上のようなことから、民営化されると保育の質が低下してしまうというようなことだったと記憶している。これも、そうもそうだなと思った。


では実際はどうだろうか。娘を預けている保育園は2年前に公立保育園から公設民営化園に移行しました。公立保育園の中でも評判の良い保育園で、駅からの利便性もあることから倍率の高い保育園でした。そのため、反対の声が強かったようですが、実際、公設民営化されてみると、「前より良くなった」(保育の質は向上した!)と評判です。


我が家の保育園への送迎は、基本的にママがやってくれますので、私は朝、保育園の玄関まで見送り(団地のエレベータを下りると保育園なので)と、月に1回程度のお迎え(会議や出張で早帰りのとき)だけです。そのほかは、運動会や展覧会などの行事のときなど僅かな機会ですが、そのなかで、いくらか見えてくるものがあります。


経営者の保育理念がしっかりしていること、それが園長以下の職員に浸透していること、そして職員会議で園や子どもの現状について話し合い問題点を集団で検討していると感じています。娘は発達が送れているため、週1回発達センターに通っており、遊びだけでなく食事や排泄、コミュニケーションがうまくできない等の手のかかる子です。園で、どんな対応をしたら良いのか集団で相談していただいているようです。スプーンをうまく使えないので、持ちやすいものを探してくださったり、それも担当保母だけでなく副園長さんも交えて。その子、その子に応じた保育について合議していることを伺わせます。


現時点での結論は、民営化されると保育の質が低下するということは、すぐには直結しないということです。上記のとおり、実際、公立から民営に変わった保育園に通わせている父母の評価で明確になっています。ただし、これは、1園のことであって、すべてがそうではありません。


理論的には上記の理由から、民営化されたほうが質が低下しやすいと考えています。いかにモチベーションを保ち続けるのか、身分(処遇)でか、保育理念でか、両方あるのが一番ですが。


続くと思うよ

子ども・子育て新システムの基本制度案要綱を読んで 総論の3-2


個人の独断と偏見で書いています。昨日、書き忘れていたことがあったので3-2とします。


現在でも公立保育園が、公設民営化の波にさらされています。2013年度以降、「子・子新システム制度」が実施に移行した場合、この公設民営化がさらに推しすすめられるのは必至です。「民間にできるものは民間に」が、自公政権を引き継いだ(今では自公政権以上に新自由主義を突っ走る)管内閣の基本路線であり、拍車をかけることでしょう。そうすると、


 20××年3月25日の東京都某区定例本会議は、議場を取り囲む区職労と支援団体の「民営化反対」「職員の身分を守れ」のシュピレヒコールが響きわたる中で開催された。中には、子どもを公立保育園に預けている父母の心配そうま姿も見られた。本会議に先立つ予算特別委員会では、公的保育を放棄する暴挙であり、職員の身分を守るべきとする社民党、共産党、市民クラブ等の反対を押し切り、民主党、自民党が賛成、このままでは保育の質が守れるかどうか不透明として公明党が退場するなか、僅差で可決された。

 もめにもめた区議会は、予算特別委員会のなかで、民主党と自民党は、当初、全園を民営化対象としていたが、反対派の声を受け入れ10園については区立のまま存続させると譲歩して、○明党が棄権に回ったもので、予算特別委員会で修正可決となった。しかし、区職労は職員の身分を一方的に奪うものであり組合に分断と混乱を持ち込むものとして断固反対の姿勢を貫き、区立保育園に子どもを預けている父母からも不安の声が上がっていた。前日、深夜までもつれ込んだ議会運営委員会でも調整はつかず、与党側は強行採決に持ち込むこととなったものである。


という新聞記事(地方版だけど)が将来、見られるかも。


私は民営化が一歩的に悪いと言っているわけではありません。現在、子どもを公設民営の保育園に預けていて、とっても感謝していますから。


おそらく続く