子ども・子育て新システムの基本制度を考える


先週の土曜日、ママが発達センターのママ友と飲み会に行きました。そこで、ママから聞いてきた話が先日書いた「保育に欠ける子」の問題にかかわっていますので、急遽、続きとして書きます。


ママが聞いてきた話は、「発達センター」の先生から、子どもの発達を促すために保育園に入ることを勧められた方が、年度途中なので認可保育園は満杯のため認証保育園(都独自の制度:無認可保育園と思ってください)を探し回ったそうです。


その際、先生からのアドバイスで発達センターに通っている旨を伝えたそうです(後日のトラブルを避けるため)。そうしたら、「あ~うちでは、ちょっと」と軒並み断られたそうです。認証保育園は、事業者と親の直接契約ですから、新システムの「子ども園」と同様の形態です。


新システム移行後は、全ての保育園がこうなるわけですから、弱者(親の経済力、情報不足なども含めて)が排除されるのは推して知るべしです。国の「保育に欠ける子」という概念がなくなる(福祉からはずれる)ということは、真に必要とされている子どもが保育園にますます入れなくなるという危険性を大きくはらんでいるのではないでしょうか。


続く(いつになるかは不明)

子ども・子育て新システムの基本制度(案)要綱を考える


すっかりご無沙汰してしまいました。この間、様々なメディアで子育て新システムに関係する記事(意見や不安、疑問等々)を見るようになりました。このブログも二番煎じどころか10番100番煎じになっていますが、気が向いたらお読みください。


さて、課題は「保育に欠ける」とは、でした。ご存知のとおり、この「保育に欠ける」子どもを預かるのが保育園であり、保育園の管轄省庁が厚生労働省です。始めて、この言葉を聞いたときとっても違和感を覚えたものです。

24時間預かってもらうわけではなく、働いている日中だけ預けるのに「保育に欠ける」とは、共働きの親を育児を放棄しているかのように言っているように感じたものです。でも、お役所の頭の固い役人が考えた、庶民の心情を斟酌しない擁立用語と思えば腹も立ちません。


法律的に「保育に欠ける」とは、児童福祉法第24条第1項の規定されており、保護者が児童を保育することができず、同居の親族も保育できない場合を指します。そして、そのような状態にある子どもが保育所に入れることとされています。具体的には、子どもをみることができる親・同居の親族が①昼間常態として働いている、②妊娠中・産後間もない、③病気やけが又は精神・身体に障害がある、④同居の親族を常時介護している、⑤災害復旧にあたっている、これらに類する状態にあることが、「保育に欠ける」状態に該当するとされています。求職中もこれらに類する状態に該当するものとして、保育所の入所の申込みができるようです。


このように、児童福祉法で定めていますので、保育園は「福祉」の範疇に入っています。新システムでは、幼稚園と保育園が一緒になった「子ども園」を創設することになっています。このことが、「保育に欠ける」概念をなくし必要な子どもが「こども園」に入れなくなる危惧を大きくさせています。


この「保育に欠ける」という親にとっては違和感のある言葉がなくなることの意味は二つあるのではないでしょうか。


ひとつは、国の責任の放棄につながるという問題です。憲法25条では、「国はすべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と、国の国民に対する義務が明記されています。この憲法25条を受けて、児童福祉法が制定されている関係を考えると、憲法に定められた国の義務を放棄することにつながるということです。


ふたつは、市町村の責任もあやふやになるということです。市町村は、「子ども園」への入園に関して必要度の判定はするけれど、責任は不明確です。現在は、様々な問題はあるにしても(一定の尺度で)必要度の高い子どもから入園措置をおこなっています。必要度は判定するけれど、後は「子ども園」の事業者と契約してくださいでは、待機児童がたくさんいる現状を考えると事業者の力がどうしても強くなってしまいがちではないでしょうか。手のかかる子(うちの子のように知恵遅れ、発達障害のある子)は排除されてしまいます。


言葉の問題はさておき、憲法に定められた国の義務を守ってもらうことが必要です。


まだまだ書きたいことがありますので、続く。(いつになるやら)

子ども・子育て新システムの基本制度(案)要綱を考える


新聞をはじめメディアで、新システムに関する記事が増えてきました。昔から日本では、法律や政省令の内容がほぼ実施が決まりかける頃になって騒ぎ出す傾向があるようでして。


今回は、保育園の設置基準についてです。このブログに興味のある方はすでにご存知のとおり、保育所の設置基準というものがあり、児童福祉法に基づいて「児童福祉施設最低基準」という厚生省令で、助産院・乳児院・母子生活支援施設・児童厚生施設等と並んで設置基準が決められています。


よく見かける「乳児室の面積は、乳児又は前号(満2歳未満)の幼児一人につき一・六五平方メートル以上であること。ほふく室の面積は、乳児又は第一号の幼児(満2歳未満)一人につき三・三平方メートル以上であること。 」という基準は、この省令で定められています。


この省令には、他にも「保育士の数は、乳児おおむね三人につき一人以上、満一歳以上満三歳に満たない幼児おおむね六人につき一人以上、満三歳以上満四歳に満たない幼児おおむね二十人につき一人以上」ろいう規定もあります。


この政省令ですが、法律と同様の効力を有しますので、子育てには結構重要な内容にもかかわらず知られていません。法律と違って、国会での審議がないため融通性があるのが利点のようですが、時の権力(大臣)の考え方次第で安易に変えられる危険性もありますね。


この基準が新システムではどうなるかということが主題です。

新システム基本制度(案)要綱には、この基準については何も記載がありません。ということは、事業者が自由に建物を設計して(もしくは借りて)保育園を運営するということができることになります。(市町村が独自に条例を定めることがあるかもしれませんが、稀と思われます)


ここでも、保育の質という問題が出てきます。この設置基準は、最低基準ですから国の関与で最低基準が全国一律で守られています。この基準がなくなると、充分な保育室の面積を確保しない(できない)事業者が保育園経営に乗り出すことが予想されます。(比較して)広い空間での保育と狭い空間での保育は、広い空間でのびのびと保育するほうが子どもの成長にとって良いことであるのは間違いありません。


保育士の数の問題も同様です。事業を運営する側にとって、人件費は経営に占めるウエイトは大きな比率です。今の日本で、いかに人件費を抑えるかに苦心するのは必然です。当然に、雇う人を少なくしよう、アルバイトや短期・有期雇用にしようということになります。


この国が決めている最低基準があるから、保育の最低限の質が保たれていると言ってもよいのではないでしょうか。


次回は、保育に欠けるという問題について。いつ書ける(欠けるではない)かは不明。