先日、私の地方では、「相棒」シリーズのなかでの、私にとっての最高傑作、「聖戦」が再放送されました。
ゲストに南果歩を迎え、彼女が扮する普通のおばさんと、水谷豊扮する杉下右京、及川光博扮する神戸尊が対決するお話で、当時もよくこんな暗い内容のものを、元日早々放送するものだと思いましたが、古沢良太の脚本が、冴えに冴えております。
この回は、いわゆる「刑事コロンボ」方式で、最初に南果歩扮する冨田寿子が犯人だと明かしております。
重い病気を抱えていた一人息子の浩人は、両親の支えもあり、手術をしてリハビリを繰り返し、野球が出来るまでになりました。
ある時から、不登校になりますが、それは学校でイジメにあい、担任まで加担していたからで、寿子は不登校を容認します。
浩人は、何とか立ち直ろうとして、蒲田の工場で働けるまでになったのですが、コカインでラリっていた大学生、折原のバイクに激突され、亡くなってしまいます。
夫も癌で失い、何もかも失った寿子は、パートで働いているファミレスで、幸せそうな折原の家族と遭遇します。それから彼女は、折原に復讐することだけを生きがいにして、ついには彼を爆殺します。
初めて寿子の家を訪れた杉下と神戸は、彼女が犯人であると確信します。そこから、寿子との戦いが始まるのですが、それがもう面白いなんてものではありません。さりげない描写が伏線であったり、古沢良太ワールドが見事です。
ただ、です。
再放送なので仕方ないのですが、カットされているシーンが、いくつかありました。何せ私の記憶だけが頼りなので、確証はないのですが、何度も何度も見ているので、ほぼ間違いないと思います。
例えば、です。
寿子の回想シーンでは、浩人を訪ねてくる担任が、彼に呼びかけるところや、浩人が殺されたあと、彼女が鬱のようになり、部屋がぐちゃぐちゃになっているところがなくなっておりました。
また、ファッション雑誌が、ストリートスナップを撮影していたのですが、寿子はかつてスルーされておりました。それが、折原を殺害するという生きがいを見つけたことで、彼女は次第に綺麗になってまいります。
ある日、寿子が出勤したとき、ファミレスの同僚が何やら噂話をしております。何かと思えば、寿子がファッション雑誌に掲載されていたのです。このあたりもすっぽりカットされておりました。
中野英雄扮する、犯人と疑われた江上が、石野真子扮する姉と、母親の病状を電話で知らせるシーンもありませんでした。
すみませんねえ、マニアックで。でも、出来ることなら、ノーカットで放送してほしかった。
私は以前、外付けハードディスクに録画しておいたのですが、ディスク自体がぶっ壊れて見られなくなりました。けれど、その録画も再放送だったのです。その時は、きちんと放送されておりました。
BSあたりで、完全版を再放送してほしいものです。
※寿子が、杉下と神戸に、笑いながら、「だったら証拠を持ってこい」と言ったり、白石美帆扮する折原の妻の耳元で、「最高の気分よ。あんたの夫をバラバラにして」と囁くところなど、もう見ていてゾクゾクします。
神戸など、「普通のおばさんを、初めて怖いと思いました」と杉下につぶやいておりました。