以前、何かのバラエティのなかで、誰だったかは忘れましたが、赤坂津つ井のビフテキ丼を紹介しておりました。
わたくし、このビフテキ丼には、とても思い入れがありまして、大変懐かしく思いました。
ビフテキ丼を初めて食べたのは、大学を出てすぐでした。とあるテレビの制作会社に入り、そこはかなり過酷だったのですが、社長には大変可愛がられておりました。私の出た大学の付属高校に、社長が通っていたため、間接的な後輩だと思ってくれたのです。
ある日、会社の幹部が集まり、会議をしていたのですが、私はひとり残って、別室で雑務をこなしておりました。そこにひよっこり社長が顔を出し、お前の分もとったからと、ビフテキ丼を差し入れてくれたのです。
これが本当に美味しかった。確か当時でも2000円以上はしたと思いますが、ステーキに絡むソースの味が抜群で、あっと言う間に平らげてしまいました。東京には、こんな美味しいものがあるのかと驚きました。
その様子を見ていた社長が、一度会議室に戻ったのですが、すぐに戻ってきて、なんともうひとつビフテキ丼を持ってきてくれたのです。
お前が、あんまり美味そうに食っているから、もう一個やると言うのです。そのかわり、他の若い連中には、絶対に言うなと口止めされました。
最初は固辞したのですが、お前のような若いのが、食い物で遠慮するなど百年早いと言われ、元々量は食べるほうですので、それではと頂きました。
後に、このビフテキ丼を真似ようと、何度かチャレンジしてみたのですが、どうしても近い味にすらなりませんでした。牛肉、タレ、バターだけですから、恐らく相当シンプルなレシピだと思うのですが、これが本当に出来ないのです。
この間、津つ井のホームページを見たのですが、今でも4000円くらいなのですね。あれから、40年も経っているのですから、やはり値段は上がっておりました。
いま、私が東京に行ったら、絶対に食べたいのは、このビフテキ丼か、つばめグリルのハンブルクステーキ、もしくは燕楽のロースかつ定食です。いずれも、今や安いとは言えませんが、自腹で食べられるメニューです。
おっと、龍の子の麻婆豆腐を忘れておりました。
