NHKの、「テミスの不確かな法廷」は、今期のドラマのなかではトップクラスです。
特に、主演の松山ケンイチが素晴らしい。発達障害のある役というのは、ともすればオーバーな表現に鳴ってしまうのですが、どうにもならない哀しみを、ほぼ無表情で演じてしまうのですから、ただ事ではありません。
今回、自らの失言で、彼が扮する裁判官、安堂は、原告を不利な立場に追い込んでしまいます。彼は上司の遠藤憲一扮する門倉に、辞表を託します。
門倉は、まもなく定年を迎えるのですが、かつては裁判所の反逆児と異名を取るほどで、曲がったことや、忖度が大嫌いでした。そのため、出世コースから外れ、地方回りを余儀なくされておりました。
なぜ、小さな運送会社の裁判に、大手の法律事務所が担当しているかが謎でしたが、そのことも今回で明らかになりました。全ては、大手の横暴でした。
安井順平扮する、大手の事務所の弁護士がまたいい。大手らしい、自分たちの思うようになるように、スラップ訴訟まで起こし、慇懃無礼な表情が抜群でした。負けるわけがないと、なめきっております。
RCサクセションの、「雨上がりの夜空に」が大好きな門倉は、ついに裁判中にブチ切れます。「裁判所、なめんなよ!」と。
孫の顔を思い浮かべ、定年後の身の振り方を心配していたが、法の正義のために、激怒するのです。
本当の裁判なら、こうはいかないと思います。しかし、ドラマはこうでなくては。
いま、WOWOWでは、同じ法廷ものとして、「シリウスの反証」という、冤罪ものが放送されておりますが、こちらも良く出来てはいるのですが、私はリタイアしました。しんどくて見ていられないのです。
私は、「テミスの不確かな法廷」に、軍配をあげます。