かつて、小沢一郎が、「御輿は軽くてパーがいい」と言ったといわれております。


私の愛する、「仁義なき戦い」では、松方弘樹扮する坂井鉄也が、金子信雄扮する組長、山守に向かって、「あんたは、わしらが担ぐ御輿じゃにないの。御輿が自分の足で歩けるゆうなら、歩いてみいや」という名台詞がありました。


いま、自民党の総裁選が行われようとしております。次々と出馬を表明する政治家が現れておりますが、ついに、あのシンジローも出馬いたしました。


自民党は、総裁選に出馬するには、推薦人が20人必要ですが、あっという間に集まったそうです。


小沢一郎さんの言葉を借りれば、これは究極の御輿です。


重要閣僚の経験なし、話題になったのは、三股不倫報道と、そのホテル代を政務活動費でまかなっていたことくらいで、典型的な世襲のボンボン政治家です。


そんなのが、自民党総裁、すなわち日本の総理大臣にふさわしいと思っている阿呆が、素人ならともかく、現職の政治家のなかに、わんさかいるのです。


要するに、選挙の顔です。国民に人気はあるから、資質などがばれる前に、解散総選挙になだれこみ、シンジロー人気で圧勝という作戦なのでしょう。ずいぶんと舐められたものです。


そもそも、彼の政治信条など、聞いたことがありません。ある方が、彼の発言や著書を調べたそうですが、批判するところが、何もなかったそうです。


例えば、「今のままではいけないと思っています。だからこそ日本は、今のままではいけないと思っている」。一事が万事、こんな発言ばかりなのです。要するに、何も言っていないのです。


タローちゃんのほうは、例の国民を小馬鹿にしたうな記者会見での発言を繰り返し流せば、あっという間に本性が明らかになり、人気などがた落ちになるでしょうが、シンジローのほうは、空っぽですからねえ。


だからこその、御輿なのでしょう。これ以上軽い御輿は、未来永劫あり得ません。







今から、10年ほど前です。


「Nのために」というドラマを見ていた時に、映像の感性が、とても瑞々しいと感じました。


私は、テレビドラマの場合、まず脚本家に注目しますが、 演出家の名前を記憶することは、ほとんどありません。


しかし、この作品には、ディレクターの強い拘りを感じました。それが、塚原あゆ子という方でした。今でも読めますが、「Nのために」について、このブログを書いた時、「塚原あゆ子という名前を覚えておいたほうがいい」とはっきり記しておりました。


それから、「MIU404」、「最愛」、「アンナチュラル」そして「ラストマイル」と、今の充実ぶりは、言うまでもありません。


これは、勿論脚本家にも言えることで、「相棒」で飛び抜けて面白い回があり、それで古沢良太という名前を、自然と覚えました。


野木亜紀子は、「逃げるは恥だが役に立つ」は、そこまではまらなかったのですが、「重版出来!」や、「空飛ぶ広報室」で注目し、「アンナチュラル」で決定的になりました。


私が学生の頃など、インターネットなどは存在しなかったし、テレビドラマに関する本も、ほとんどありませんでした。なので、好きな俳優を基準にして見ておりました。


そのうち、同じ俳優が出ていても、面白いものとそうでないものが存在し、それが面白いほうに関しては、共通の名前が存在するこに気付きました。それが、倉本聰、市川森一、山田太一、向田邦子などでした。


なんの予備知識がなくても、飛び抜けた人達は、作品を見ていればわかります。


※わたくし、来週久しぶりに映画館に行ってまいります。さすがに、「ラストマイル」は、劇場で見たいです。作品は勿論ですが、ミコトや中堂、伊吹や志摩に再会してまいります。

松本潤主演の、「ラッキーセブン」は、放送当時、かなり酷評したことを覚えております。


脚本のメインは、今をときめく野木亜紀子ですが、フジテレビのヤングシナリオ大賞をとってまもない頃でしたから、まだかなり粗い出来です。また、佐藤信介が総合的に作品に関わっており、彼の意向も強かったのでしょう。


改めて見て感じたのは、豪華なキャスティングのなか、唯一異彩を放っていた瑛太の、不可解な使われ方でした。


突然、姿を消すのですが、レギュラーであったはずの彼が、かなり唐突にフェードアウトします。そして、ドラマのクオリティも、がくんと落ちます。


ストーリーも、回によって、出来不出来がはっきりしており、複数の脚本家が関わっている、典型のようなクオリティでした。


野木亜紀子は、この後少ししてから、フジテレビでは一切書かなくなり、TBSが主戦場になり、それが現在に至ります。フジテレビに発掘されたにも関わらずです。


当時はキャリアが浅かった彼女が、月9の、しかもこれだけ豪華なキャスティングのドラマを任されるのは、かなり異例なのですが、今となっては、何かあったのではとさえ感じられます。


色々な意味で、今見ると面白いですよ。