フィリピンのメイのはなし Part2 | 世界を股にかける腰痛治療家 Ken Yamamotoのブログ

世界を股にかける腰痛治療家 Ken Yamamotoのブログ

Ken Yamamotoは世界を股にかける腰痛治療家であり腰痛研究家でもあります。
 『世界中から腰痛をなくしたい』
この想いからKen Yamamotoオリジナル治療法『Ken Yamamotoテクニック(KYメソッド)』ひとつをひっさげ、
世界中からのオファーに応える。

膝眼を押すと内側に痛みがあった。
内側半月板かぁ
外側には痛みがない。
引き出しテストでは陰性
つまり前十字は平気そうだ。
O脚は在るもののスクリューホーム
ムーブメントもしっかり出ている。

膝が痛い場合膝に問題ない場合が多いと
よくセミナーでも言ってきたけど
膝自体のチェックは充分に行うべきだと思う。

このほか内側側副靭帯の圧痛もみられた。
対側と比べるのも勿論大事で受傷10日目なのに
まだパッと見ただけでも腫れているのが分かる。
関節可動域のチェックもすると完全屈曲はできなかった。
つまり膝屈曲でカカトはお尻に付かないという意味。

膝立テストではカナリの骨盤の変位が見られ
コレでは痛みはなかなか引かないだろうと
想像するに容易かった。

物語は前回から続いているんだ。
待ち合わせの場所に行くと既にメイは待っていた。
普通フィリピン人は必ず遅れてやってくるが
メイは俺という性格をよく分かっているんだ。

俺は待合わせ場所に時間通り来ないと
相手が誰であれ帰ることにしているんだ。
その代わり俺は10分前にはいつも着いている。
時間にルーズな人とは付き合わない。

コレをフィリピンやタイやアメリカでも
やるモンだから会えないことも多い。
以前メイが遅れてきたがとっくに俺は居なくて、
メイはフィリピン人を分かっていないと言ったんだ。

なら時間を約束する意味ないだろ?
と言うとその日以来遅れてこなくなった。

メイは俺をみつけると駆け寄りハグしてきた。
隣にはママがいた。
二三言葉を交わすとタクシーに乗り込み無言になった。
暗さが伝わってきた。

無理もないかも知れない。
パパが膝が痛いために仕事が出来ず、
メイは大学を中退しなければならない事態に
追い込まれていたから仕方がないだろう。
タクシーも入るのに戸惑う路に差し掛かった。
そうスラムの入り口だ。

「こ、こ、ここ曲がるのか?ここで降りてもらえないか?」
タクシーの運ちゃんですら行きたがらないスラム地域。
タクシーから降ろされた。

そこから徒歩でメイの自宅に向かう。
メイの自宅は引越ししていた。
パパが仕事が出来ない為だろうか?
とにかく4畳間程の小さい汚い部屋に移っていた。
前の家賃は月2000ペソで、
この狭過ぎる一部屋は1000ペソなんだそうだ。

パパはそこで無気力に横になっていた。
それでも俺を見ると
「おージャパニーズ バンザーイ」
と知っている単語を並べて挨拶してくれた。

パパの膝をチェックしている間中メイは
必死にノートをウチワの代わりにして扇いでくれた。
この家はエアコンどころか扇風機すらないのだ。
どこからか電線を引いてきて電気は
使える状態にあるがありとあらゆる窓が開いており、
蟻やら蚊やらハエが沢山いるんだ。

とてもこんな所で寝れたもんじゃねーな∑(゚Д゚)
とにかくサッサとなおして帰ろう。

そして膝からチェックを始めたんだ。
どうやら内側半月に圧痛が在るものの
股関節や足首に問題がありそうだな。
経験上膝自体に原因があることが少ないんだ。

股関節の調整をすると膝の屈曲が
滑らかになり力が入るようになった。
立って足踏みし出すパパ。

膝の完全屈曲は未だ痛がるため
足首を柔らかくしてみた。
するともうじきにカカトがお尻につくんじゃね?
て位スムーズになりもう一度股関節を調整した。
するとうつ伏せでカカトがお尻にピタリと着いたんだ。

スクワットするとマイルドな痛みが在ると言ったが
コレは炎症が残っているせいであり
追っかける必要はないと判断した。

次に膝眼の圧痛が内側にありコレについては
これまでの施術で半分以下になったとパパは言った。

半月板は機能的に大腿骨遠位端と
同じ様に動くでしょ機能的にというか
つまり膝が内側に入ったまま降りて
爪先が外を向いているときは内側半月は
恐らく後方へ下げられる動きをするだろう。

そしてそのまま膝を伸ばす動きをすると
内側半月は大腿骨によって半月板を噛むかも知れない。
だから最後は下腿を内旋しながら
何度か曲げ伸ばしをしたんだ。
これでうまく戻ってくれたらいいな。

そう思って膝眼をもう一度押してみた。
痛くないとパパが言った。

コレは出来すぎな成果だけど半月板が深いところで
傷ついていた場合圧痛もそして損傷も取れない。
なぜならば血行が入ってないから。

とにかく人体解剖学を学び更に身体の理解を
深めることが出来たから気がつく事も多い。
仕上げにまだ腫れぼったかった膝に
テープを貼り膝をパチンと叩いてパパにみせた。
OK finish

パパはベッドから飛び降りると
「ウォーなんだか久しぶりにジョギングしたくなった!」
とか言って、足踏みしたりスクワットしたりして喜んだ。

施術後はとっとと帰り支度した。
お茶出してくれたりとかしてる間に
蚊に沢山噛まれるのもゴメンだ。
何度もフィリピンの言葉でありがとう
を繰り返しパパは手をふってくれた。

ママは気を遣ってか、それともワザワザ
日本からパパの膝を見にきてくれたのか
と言う罪悪感にも似た感情があったのか
殆ど俺の目を見てくれない。

メイは帰る俺について来てくれた。
いつものように大通りまで
送ってくれるつもりだった様だ。
それにしても暗い道が続く。
メイは突然俺を呼び止めた。

「Ken san」
振り向く俺に抱きつき
thank you
というと頬っぺたにキスしてくれた。

驚いた俺は言葉を失ったが、暫くして
照れて下を向いているメイを見て思った。
コレはメイの精一杯だ。

thanks
と言うと再び歩き出した。

暖かい気持ちに包まれた。
彼らからの報酬はこのkissで充分( ´ ▽ ` )ノ
精一杯を貰ったんだから。
ところで、メイは大学どうするの?
聴くと、メイは暗い顔になった。

「働くわ。そしてお金を貯めて来年また新しく
英語の先生になる為に大学に行こうかと思ってる」

既に来年に眼を向けているメイ。
それでもせっかく通った一年を無駄にするし
友達たちとも別れなければならない。

1500ペソ(4000円)を払えないがために
中退に追いやられるメイが可哀想だった。
しかし1500ペソあればメイの家庭は
家賃と食費が賄われるかも知れない金額だった
と今日気がついてしまったよ。

そして俺は聴いてみた。
「メイ、パパはもう仕事に戻れるから
元どおりだろ?それでも大学辞めちゃうの?」

「年度末試験のお金を払えないから仕方がないのよ」

「そうだね。でもその1500ペソがあれば
大学続けられるのだろう?そしてメイは
働くことも出来る年齢になったね」

「そうね、、、」

「ここに1500ペソがあります。今年中に返してくれる
という約束がメイに出来るなら貸してもイイよ」

メイの眼はいきなり輝きだした!
今までの顔はなんだったの?
と言うくらい明るい顔に変わったんだ。

返ってこないかもしれないお金を貸してみた。
報酬ゼロどころか赤字ですわ
それでも心の中は充分に満たされていた。
Give and give and give でもイイかなと想っている。



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