このバンコク病院で１５回目の僕のセミナーがスタートした。
昨日に引き続き、
今日はリハビリ科の偉い医師も参加した。
もう誰が医師で、だれが看護師で、
理学療法士なのか判らないくらいだった。
毎回新しい受講生が来るから。

昨日は動体療法で今日はKenYamamotoテクニックだ。
医師は厳しい目で僕ちゃんの話を
目を細めながら聞いているんだ。
こ、こ、こわい
子犬のように震えちゃう気持ちを
抑えてバンバン質問を食らわす。
準備された患者さまにどんな治療法
を試みたのか質問し、そして言う。
「だから治せないんだ。」
カッチン！！！と来るだろう？来ない訳が無い。
よく知らない茶髪のアンちゃんに
そんなこと言われちゃう大病院スタッフたち。
カチンとくるのを待って説明するんだ。
それの方が悔しくて正確に覚えて
やろうと想うだろうから。それが狙いだ。
医師はますます目を細め質問
に更なる質問をカブしてくる。
それをまた質問で返す応酬を見せたかったなぁ。
これを繰り返すと仲良くなれるんだ。
対立し合う二つがシェイクシェイクして完成すると
もはや運命共同体になることもしばしばある。
首の痛み、肩甲骨近辺の痛みについて、
そこを触らずに治す勉強をして来たよ。
腰痛専門なのに肩や首？
と想うヒトがいるかもしれない。
しかし腰を治すと肩や首が楽になってしまう
現象は臨床上誰でも感じたことがあるだろう。
それを探求して出来たのが今回の手技だ。
最新の新BASICを全部教えたかったが
じっくり大腰筋テクニックをしっかり覚えさせた。
首肩が4～５ヶ月前から痛みが出て
様々な治療法を試したが無理だったと
用意された患者様。腰には軽い側弯があった。
様々な検査からこれは正に大腰筋のトラブル
からくる肩や首の痛みであることが判った。
それを大腰筋テクニックで爽やかに治す。
目を細めていた医師も目を見開き驚いていた。
担当して来た理学療法士も解決法が見つかり
目を見開きキラキラ輝かせていた。
それはそうだろう。
だって首も肩もいっさい触れること無く
患者さんが笑顔に変わったのだから。
ある医師が私がモデルになってもいいか？

と言った。
これをクリアすればおそらく
誰もが疑う者は居なくなるだろう。
願っても無いチャンスだ。
痛みがホントに無くなった医師は
理学療法士に混じって手技の練習を始めだした。
医師は通常理論を知りたいダケなことが多い。
後は指示書を理学療法士に書いてオーダーするだけだ。
だけど医師も面白がって
この手技を一緒に練習しだした。
この病院はオーダーにチョクチョク
KenYamamotoテクニックで治せ
とこのテクニックの名前が出てくる。
それで医師同士が
「なんなん？そのテクニックは？」
となり毎回新たに医師がセミナーに登場し
受講するようになったということなんだ。
セミナーは白熱した。
しかし気になるのは携帯をいじったり
電話をしていたりする一人の女性が
居るのが気になっていた。
その人のせいで集中が途切れる受講生もいる。
タイ人は電車でもどこでも平気で電話しちゃうんだ。
ホント自由な国民性。
パンパンと大きく手を叩き注目させ言った。
「自由に話をしない。今はこのことだけに集中しなさい。
そこで電話しているヒト。あんた電話するなら
ココから出て行きなさい。はっきり言って邪魔だ」
通訳も訳すのに躊躇したが、しっかり訳せと命じた。
「Ken 駄目だよ」
理学療法士のリーダーが小声で言う。
「駄目じゃないよ。集中出来ないなら出て行ってもらう」
「違うんだってば、違うんだってばKen。まずいよ」
「違わない。おいアンタ出て行きなさい。Go OUT!」
「Ken あの人はえらい医者なんだこの病院の。。。。」
「えっ、えっ、えっとぉ 電話は外でしてね 照」
早く言えっツーの
電話をかけていた医師は気まずそうにして
電話を切りスマナそうに出て行った。
おわった、、、
偉いドクターに指導しちゃった僕ちゃんは
この病院に二度と呼ばれないかもしれない。。
でも、
でもね、完全にやりきれた気持ちが強かったから
この舞台に上れなくてもまぁそれはそれで良いか。
次の舞台のステップが用意されているかもしれないし。
怒っちゃったかもしれない医師に言った
言葉も僕の本音だったし仕方がない。

とにかくやりきった僕は明日また次の国へ向かうんだ。
そろそろまた日本がコイシクなって来たゾぃ。
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