☆テッド・チャンの短篇集『息吹』を読了した。掲載されているのは9作品。
この中には中篇小説といっていい作品が2作品含まれている。
☆2003年に出版された短篇集『あなたの人生の物語』の評価も高かったが、僕は『息吹』の方が優れた作品が多く掲載されていると感じた。
☆9作品を僕はどう感じたかを☆で評価してみた。☆5つで満点です。
①「商人と錬金術師の門」(ヒューゴー賞、ネビュラ賞、星雲賞受賞)
タイムトラベルがテーマの優れた作品。思わず物語の世界に入り込んでしまった。
☆☆☆☆ 傑作です
②「息吹」(英国SF協会賞、ヒューゴー賞、ローカス賞、SFマガジン読者賞受賞)
新しい世界(宇宙)を創造している。
☆☆☆☆ 傑作です
③「予期される未来」
正直よく分からない部分が多かった。
☆☆☆ 佳作
④「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」(ヒューゴー賞、ローカス賞、星雲賞受賞)
この作品は、ブログ内で取り上げて評価しました。デジタル生命体と人間の交流を描いた物語。
☆☆☆☆ 傑作です
⑤「デイシー式全自動ナニー」
全自動ナニーというのは「赤ん坊の面倒を見るために設計された、ロボットまでは行かないマシン」のことである。このマシンをめぐる物語。
☆☆☆ 佳作
⑥「偽りのない真実、偽りにない気持ち」
☆☆☆ 佳作
⑦「大いなる沈黙」
☆☆ 作品の良さがよく分からなかった
⑧「オムファロス」
☆☆ 作品の良さが伝わらなかった
⑨「不安は自由のめまい」
量子力学の多世界解釈に基づいた物語になっている。
発想自体は珍しいものではないが
十分に読み応えのある物語になっている。
☆☆☆ 傑作に近い佳作といえます。
☆3つ半といったところです
*やはりヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞などを受賞している作品は、僕が読んでも傑作という評価が出ました。
☆テッド・チャンは寡作の小説家で、短篇集2冊を読めばテッド・チャンが発表したほとんどの作品を読んだことになるそうです。